...吾輩は石川君の歌に不満足な感が多いのである...
伊藤左千夫 「『悲しき玩具』を読む」
...知らないでゐるのは少し不満足な気がします...
伊藤野枝 「書簡 大杉栄宛」
...世間の満足な奴らがにくくてたまらねえんだ...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...母親たちが満足な食物も食べられませんから...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...これまでの私の満足な気持に唯一の暗い影を投げていたのであった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...どうせ死ぬなら満足な体で死なしてやってくれの一点張りで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼女は衣服(きもの)も満足なのは持っていなかった...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...お祖父(じい)様もどんなに御満足なさるでしょう...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...しかしそれだけにしたところで私には満足なのである...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...岡田が今ああやってるのと同じ事さ」と母はだいぶ満足な体(てい)に見えた...
夏目漱石 「行人」
...これは……満足な椅子ひとつないな...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...不満足なわけがないではございませんか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...それで満足なんだ...
三好十郎 「その人を知らず」
...口で言った己の詞が永遠に己の生涯を自由にすると云うだけでは不満足なのかい...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...五体満足なおれが心配をかけるのは不当だ...
山本周五郎 「花も刀も」
...酒井侯はさぞ満足なことだろう」甲斐はまた日記に眼を戻した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...不満足な安らかさを覚えて来た...
横光利一 「上海」
...決して満足な顔いろではなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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