...湿った地面からあがって来る水分がからだを包んでしまう...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...この暗い、湿った洞窟は、祠を置くには奇妙な場所であるが、而も日本では顕著な地形の所、例えば此所とか、山の頂上とか、絶壁や深い谷の口とかに、信心深い人達が彼等の教会なり神社なりを立てる...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...我国で湿った手布(ハンカチーフ)を窓硝子(ガラス)に張りつけるのと同じ考である...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...野を焚(や)いた跡の湿ったかと見える破風呂敷(やぶれぶろしき)を開いて...
泉鏡花 「婦系図」
...湿った服を脱いだ...
梅崎春生 「桜島」
...湿った怪しげな土器であった……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...湿った路の面(おもて)に反映するカッフェーや酒場の色電燈が目につくばかりである...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...芥(ごみ)を掃寄(はきよ)せた湿った土の中から生えているのを見た...
永井荷風 「枇杷の花」
...じとじとと湿った敷藁のうえで...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...西南から流れる雲が天壇を隠蔽(いんぺい)して湿った風が狭い谷の中を吹き過ぎるようになった...
細井吉造 「二つの松川」
...お古の長靴で湿った落葉を踏んで...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...まッ黒い湿った空気が浸みこむためかも知れない...
本庄陸男 「石狩川」
...彼女は湿った土に坐り込み...
本庄陸男 「とも喰い」
...水に湿った田に往々低い茎のあるいは立ちあるいは横斜したヤナギタデが越冬して残り...
牧野富太郎 「植物一日一題」
...中将は湿った気持ちになり...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...髭には湿った空気が凝って露になっていたのである...
シュミットボン Willhelm Schmidt-Bonn 森鴎外訳 「鴉」
...555それは秋になって枯葉を吹きまくる湿った風のように気持の悪いものだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...胡桃を初めて見るというK―君は喜んで湿った落葉を掻き廻してその実を拾った...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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