...朝露が裾一尺ばかりを湿して草鞋はだんだん重たくなってくる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...汗がいち早く頸のほとりを湿してくる...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...第一六五、ローマ宗葬式の景況ローマ宗葬式のときは、刷毛体のものあり、これを水に湿し、送葬のものをして代わる代わるその柄をとりて、一、二滴を棺の上に振り掛けしむ...
井上円了 「欧米各国 政教日記」
...弾丸が綴る言葉「さあ、もう何でも質問していいよ」帆村は、途中で八雲助手の持って来たコーヒーのカップを取上げて、咽喉を湿した...
海野十三 「地獄の使者」
...熱湯で湿した顔ふきを持って来た...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...これを要するに現今の時代は疎枝朽幹なかば枯死せるの老樹が端なく大風のために吹き折られ、かえってその残株よりしてさらに一個の新芽を発し、雨露これを湿し、陽光これを沢し、亭々然(ていていぜん)として雲を凌(しの)ぎ、天を衝くの望みを有せしむる、もっとも前途に希望あるの時代となれり...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...うめえ肴(さかな)があるから一口湿してみてはどうだい」「俺(おい)らは酒は飲めねえんだ」と米友は断わりました...
中里介山 「大菩薩峠」
...歌口を湿してみましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...多勢の人足が湿しておるところだったのです...
野村胡堂 「十字架観音」
...仏の前の水に湿して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...牛乳と卵とで湿してやるといいや...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...絶えずそれを舐(な)め湿して...
本庄陸男 「石狩川」
...湿した唇を咥(くわ)え...
本庄陸男 「石狩川」
...まだ頭の湿しんが快癒しないので...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...第一湿(しめ)し加減と蒸し加減がむずかしくして適度に湿しよく蒸さざれば搗けず...
村井弦斎 「食道楽」
......
室生犀星 「愛の詩集」
...打水で湿した平目の石に夕闇が降りていた...
横光利一 「旅愁」
...ここに刀の目釘を湿して待つ者ありとも知らずに...
吉川英治 「剣難女難」
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