...と湯上りの颯(さっ)と上気した顔の色を変えたが...
泉鏡花 「婦系図」
...早くお着きなさいよ」子供の湯上りに母親が衣類を着せるようにして着せ掛った...
江見水蔭 「死剣と生縄」
...湯上りの寝間着姿で食卓に就いている妙子の周りに集って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...分った」扇風器の風を湯上りの背中へ浴びながら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...ナオミは既に湯上りの肌を脱ぎながら...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...一体女の「湯上り姿」と云うものは...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...湯上りのよい気持で...
種田山頭火 「其中日記」
...房一の湯上りでよけい赤紅(あか)く輝く顔がのぞいた...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...私は湯上りの身体(からだ)を柔かい褞袍(どてら)にくるまりながら肱枕をして寝そべり...
近松秋江 「黒髪」
...(江戸へ着いて、早く、この書類を始末して――)と、床の間の、手函の中に仕舞った書類入の方へ眼をやって、湯上りの身体を、横にしていると、酔漢を、たしなめている供人の声がした...
直木三十五 「南国太平記」
...座附(ざつき)女優諸嬢の妖艶なる湯上り姿を見るの機を得たのもこの時を以て始めとする...
永井荷風 「十日の菊」
...お絹の湯上りがあんまり悠長(ゆうちょう)なのを気にして...
中里介山 「大菩薩峠」
...その清光の中に立てば、湯上りの頬に、そっと涼しい銀の掌らを当てられる……...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...湯上りに俳句をよむような気持で論文をかくといっておられるんだ...
中谷宇吉郎 「続先生を囲る話」
...肩から衣(きぬ)のぬげおちようとしてゐるところ――これは湯上りといへないが――濛々(もう/\)たる湯氣の中に立つた姿もある...
長谷川時雨 「春」
...まだいくらかポッとしてめがねがくもる位の湯上り...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...問題になった湯上り美人双幅松本楓湖門下の高橋広湖...
山本笑月 「明治世相百話」
...見ると浴衣がけの若大将が湯上りの身体(からだ)をテラテラ光らせながら...
夢野久作 「いなか、の、じけん」
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