...夢中でぽかんとしているから、もう、とっぷり日が暮れて塀越の花の梢(こずえ)に、朧月(おぼろづき)のやや斜(ななめ)なのが、湯上りのように、薄くほんのりとして覗(のぞ)くのも、そいつは知らないらしい...
泉鏡花 「絵本の春」
...そうしてやや下品な様に聞こえますがそうではなく極気品の高いものにして全体羅の中に玉の様な肩先から白い胸の辺り少し湯上りのぽっと紅潮した皮膚が見えて居ると言った風で……傍には侍女が一人います...
上村松園 「芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」
...須磨子が湯上りの身体(からだ)に派手な沿衣(ゆかた)を引掛(ひつか)けてとんとんと階段(はしごだん)を上(あが)つて自分の居間に入ると...
薄田泣菫 「茶話」
...湯上りのような血が上ってくるのが感ぜられた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...湯上りの寝間着姿で食卓に就いている妙子の周りに集って...
谷崎潤一郎 「細雪」
...湯上りの爪を切らせたり...
谷崎潤一郎 「少年」
...分った」扇風器の風を湯上りの背中へ浴びながら...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...一体女の「湯上り姿」と云うものは...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...湯上り姿の最も美しい瞬間にいました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...当世風の厚化粧入毛(いれげ)沢山の庇髪(ひさしがみ)にダイヤモンドちりばめ女優好みの頬紅さしたるよりも洗髪(あらいがみ)に湯上りの薄化粧うれしく思ふ輩(やから)にはダリヤ...
永井荷風 「一夕」
...お絹の湯上りがあんまり悠長(ゆうちょう)なのを気にして...
中里介山 「大菩薩峠」
...湯上りの、ほんのり染まった少年の顔には、小さな吹出物が一つ、塗ったように紅(あか)い、その脣のそばに出来ていた...
中島敦 「プウルの傍で」
...湯上りの彼の血色はむしろ蒼(あお)かった...
夏目漱石 「明暗」
...――湯上りにそばを食べるなぞとは幸福至極...
林芙美子 「新版 放浪記」
...顔には湯上りのような血の色が差し...
久生十蘭 「湖畔」
...湯上りコーヒー一杯...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...湯上りのようでした...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...湯上り美人の大作を思い立ち...
山本笑月 「明治世相百話」
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