...白くて雲に似た湯気などはどこにも見えない...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...櫻島の海岸には往々岩骨峩々として削壁を爲せる所あり、是昔時の熔岩流の末端にして、黒神村の北方に突出せる大燃崎、野尻、持木兩部落の間なる燃崎、湯之、古里兩部落の間にある觀音崎及び其東方湯の濱の間に在る辰崎は何れも文明年度の迸發に係る熔岩流にして、東北海岸高免の東なる西迫鼻より浦の前に至る間は安永熔岩流の末端なり...
石川成章 「櫻島噴火の概況」
...嘗て熱海にも兩三度入湯した事があつて...
泉鏡花 「遺稿」
...雪の茶(ちや)の湯(ゆ)に賓客(ひんかく)を招(まね)き...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...昔から湯が出る湯が出るつて言はれたところで...
田山録弥 「田舎からの手紙」
...明治十四年頃にたとえ名前は「塩湯治」でも既に事実上の海水浴が保健の一法として広く民間に行われていたことがこれで分るのである...
寺田寅彦 「海水浴」
...みずから湯を沸かしてこしらえてくれた一杯のそれであった...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...湯に入って汗を流して来た三人の顔には...
徳田秋声 「爛」
...」と常子は始終女中の上つてくるのを気にしながら「わたしお湯に入(はい)つて来ます...
永井荷風 「来訪者」
...今朝はこれが湯殿の中だけに妙であります...
中里介山 「大菩薩峠」
...葛湯(くずゆ)を練るとき...
夏目漱石 「草枕」
...月の露を湯に浴びる……」と平かならぬ人のならい...
夏目漱石 「幻影の盾」
...ジユーンと湯気をふいてゐました...
新美南吉 「疣」
...「型のごとく検屍が済んで、第一番に三助(ばんとう)の丑松、丁子湯のお神、死骸を最初に見つけたお六――などが、順々に番所に喚(よ)び付けられた...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ぢつと身にしみて湯もつかはねば...
樋口一葉 「にごりえ」
...鼎(かなえ)の微温湯(ぬるゆ)で女性の「百合」に逢わせる...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...いくつもの小屋や厩(うまや)や湯呑所(ゆのみじょ)などが建(た)っていた...
吉川英治 「神州天馬侠」
...産湯清水(うぶゆしみず)の別れ道を東へとって来た様子だが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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