...塗りの剥げた高盆に湯札を一枚のせて来た...
芥川龍之介 「槍ヶ嶽紀行」
...浴室の水道コツクからは熱湯が徐々に出ているが行つて早く昨夜を塞げよ...
李箱 「LE URINE」
...お道さんが手拭を畳んでちょっと帯に挟んだ、茶汲女(ちゃくみおんな)という姿で、湯呑を片手に、半身で立って私(わっし)の方を視(み)ましたがね...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...家庭のあるところには屹度湯沸(サモワル)があるのを知つてゐるだらう...
薄田泣菫 「茶話」
...鹽原の湯へ着いたのは夕方であつた...
長塚節 「痍のあと」
...湯とも水とも捌(さば)けない液(しる)を...
夏目漱石 「思い出す事など」
...銭湯に来てをられたさうです...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...この一行に加はつて湯島へ急いだことは言ふ迄もありません...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...黄竹居士湯川老人の柩の中へ...
長谷川時雨 「木魚の配偶」
...私は紅茶々碗ですゝめられる薬湯を見たりして間もなく二人を撒いた...
牧野信一 「日本橋」
...水の一ぱい入つた湯呑をのせたものださうです...
槇本楠郎 「先生と生徒」
...銅壺(どうこ)に湯を断(き)らしたの...
眞山青果 「茗荷畠」
...今の葛湯に近い豆腐は新らしい現象である...
柳田國男 「食料名彙」
...いま動かれてはお躯に悪うございましょう」岡村七郎兵衛が「薬湯です」と云った...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...「さあ、寒いから中へおはいり、私はもうゆかなくてはならない」宇乃は甲斐を見あげた、「わたくし、今日のお話しをよく覚えておきますわ、蔵王のお山や、青根の湯泉や、白石川や阿武隈川のことを、――宇乃はいつかそれをみんな見ることができますのね」「そうだ」と甲斐は頷いた、「宇乃はそれを見ることができる、もう少し経ったらね」「虎之助が、八つになれば、ですわね」「そうだ、虎之助が八つになればね」そして甲斐は「丹三郎」と呼んだ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...お湯殿の姿見鏡(すがたみ)をのぞいて見ないことは御座いませんでしたが...
夢野久作 「押絵の奇蹟」
...草津にこの時間湯といふのが六箇所に在り...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...ひつそりと清らかなその湯の中へうち浸つた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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