...指の先の鍵盤から湧き上がる快い楽音の波に包まれて...
寺田寅彦 「小さな出来事」
...清冽(せいれつ)な空気が鼻腔(びこう)から頭へ滲み入ると同時に「秋」の心像が一度に意識の地平線上に湧き上がる...
寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
...黒板へ書いている数式が間違ったりすると学生が靴底でしゃりしゃりと床をこするので教場内に不思議な雑音が湧き上がる...
寺田寅彦 「ベルリン大学(1909-1910)」
...祭のかがり火のようで、一面真っ赤に燃えるに至っては、目にしたものの雄大さに逃げる一行の心も癒され、力も湧き上がる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...浜口町はどこへ消えたのか? 白く輝く煙をあげていた工場はないではないか? あの湧き上がる青葉に埋まっていた稲佐山は赤ちゃけた岩山と変わっているではないか? 夏の緑という緑は木の葉...
永井隆 「長崎の鐘」
...陸から見ると江の島が泡の中へ湧き上がるやうな恐ろしい景色でした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...湧き上がるような怪奇な手振りで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...時々湧き上がる涙を拭(ふ)いて居るのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お新はまたドッと湧き上がる新しい涙にひたっております...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...湧き上がる忿怒(ふんぬ)に燃えるのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...フ」湧き上がるやうな笑ひ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...力強いルフランはまた新しく湧き上がるのであった...
原口統三 「二十歳のエチュード」
...今更見れば湧き上がるこの恋慕...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...私の神経は永遠に湧き上がる不快感と苛立ちの源だ...
A. ブラックウッド A. Blackwood The Creative CAT 訳 「盗聴者」
...――がその霧のなかから天に向って湧き上がる大叫喚は...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...湧き上がる興味を抑えきれなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...湧き上がる愛の気持を口走った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...柔らかい若葉の豊かな湧き上がるような感触は...
和辻哲郎 「院展日本画所感」
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