...照準手!」船長は紅蓮(ぐれん)渦(うず)を巻いて湧きあがる地上を見て...
海野十三 「空襲葬送曲」
...早苗さんの心に敵愾心(てきがいしん)が湧きあがるまで...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...まるで目に見えぬ瘴気(しょうき)の湧きあがるように不吉な空気が追々(おいおい)色を深め...
大阪圭吉 「三狂人」
...どこかに私にふさはしい寝床はないかな!大地から湧きあがる湯は有難い...
種田山頭火 「旅日記」
...○ぐん/\湧きあがる熱湯が湛へて溢れる湯けむりを見よ...
種田山頭火 「旅日記」
...低い近い山脈が湧きあがる鼠色の雲の中に半ば埋もれかけてゐる空を仰ぎながら...
田山録弥 「海をわたる」
...紅血の幾多の條ぞ湧きあがる...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...それがまた風味でもある煮葡萄酒(ヴァン・キュイ)のような感動がふつふつと胸の中に湧きあがるのはなぜだろう...
久生十蘭 「だいこん」
...湧きあがる歓喜の叫びをぐっとこらえた...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...「いさゝかでも陰鬱な怖(おそれ)や戦きが湧きあがるようだつたら...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...いつの日にかその歌をうたわん」というくりかえしが湧きあがるところがあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...驚き鳴って二丈あまりも湧きあがるといっているのであります...
柳田國男 「日本の伝説」
...彼の渾身(こんしん)から湧きあがる憤りをこめて薙刀を舞わすと...
吉川英治 「親鸞」
...上総沖(かずさおき)から湧きあがる雲の峰とも坐(い)ながらに対(むか)い合っていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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