...お末は心臓の血が急にどき/\と湧き上つて来て...
有島武郎 「お末の死」
...赤い湧(わ)くやうな雲が浮んだ...
田山花袋 「ある僧の奇蹟」
...千万丈の波瀾を湧かしめたりといえども...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...目もくらむ衣裳の色彩と熱情湧きほとばしる音楽を愛し...
永井荷風 「黄昏の地中海」
...そこにどういう感応が湧き起るか……...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...鍋の底からは愛嬌(あいきょう)が湧(わ)いて出る...
夏目漱石 「虞美人草」
...何か不思議なものに觸れると云つたやうな好奇の念も湧かずにはゐなかつた...
「修道院の秋」
...潸々(さんさん)として払うことの出来ない涙が湧きました...
野村胡堂 「青い眼鏡」
...彼女にも愛の名において美徳を求めるという勇気が湧いてこないのだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...湧き返るような大喝采(だいかっさい)...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...一政党の勢力下に身動きも出来ぬ卑屈無力なる市当局への批難が湧き上って来た...
火野葦平 「糞尿譚」
...湧き出づる泉を、私どもは相当に認めたい...
別所梅之助 「石を積む」
...おそらく国王にも恥じる気持ちが湧いたのだろう...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...押えても押えても疑いが湧いて来る...
前田河広一郎 「ニュー・ヨーク 『青春の自画像』より」
...あれに関した話を聴(き)けばまた悲しみが湧(わ)くばかりだから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その瞬間に雷のような喝采が再び湧いた...
夢野久作 「暗黒公使」
...湯は泡の玉をなしてその落葉の間に湧き...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...議論大に衆中に湧(わ)く...
渡邊千吉郎 「利根水源探検紀行」
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