...貧より来る苦痛の中に心に卑陋なる思想の湧出するこれ悲歎の第四なり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...古哲ソクラトスは日々に二斤のパンと雅典(アテンス)城の背後に湧出する清水(せいすい)とを以て満足したりしを思え...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...あとからあとへと湧きいでて尽きなかったものだ...
海野十三 「火薬船」
...雑草の中からしみじみと湧き出る泉がある...
種田山頭火 「『鉢の子』から『其中庵』まで」
...譬へば山の頂に乏しき泉湧くところ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...彼女の体中に湧(わき)かえって来た...
徳田秋声 「あらくれ」
...さびしくもふけ行く夜半のあたゝかき快感花の蕋(しべ)より湧き出でて二人の身をば囲みたり...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...むらむらと湧いて来た面影(おもかげ)は...
中里介山 「大菩薩峠」
...どういう意味だろうという不審が湧(わ)いて起った...
夏目漱石 「明暗」
...その心から湧き出る低いうめき声で言った...
ホーソーン Nathaniel Hawthorne 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...青いひかりがうらうらと湧きました...
宮沢賢治 「烏の北斗七星」
...と思つたら、もう次から次から、たくさんのきいろな底をもつたりんだうの花のコツプが、湧くやうに、雨のやうに、眼の前を通り、三角標の列は、けむるやうに燃えるやうに、いよいよ光つて立つたのです...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...子の顔を一目見た時お関の心の中には口に云い表わせない悩ましさが湧き上った...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...しかもそれが満たされていないところから湧く声である...
宮本百合子 「「大人の文学」論の現実性」
...その女の眠っている間には必らず湧き上ってくる感情だった...
室生犀星 「みずうみ」
...ただちにそれを主張しまた弁護する展覧と評論との喧(かまびす)しい世界が湧いてくるのだ...
柳宗悦 「工藝の道」
...藩の湧井(わくい)半太夫と青砥(あおと)弥助をふいに訪ねた...
吉川英治 「無宿人国記」
...そして伸展するがままに伸展せしむるところに生命の実感が湧く...
吉田絃二郎 「沈黙の扉」
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