...夏の頃水を湛ふることあり)を漫歩して...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...この盆地に湛える水は...
石川欣一 「可愛い山」
...湖心寂然として人世以外に別天地の意味を湛(たた)えている...
伊藤左千夫 「春の潮」
...ドロリとした液体が一杯に湛えられて...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...池水が湛えられている如く...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...涙をいっぱい両眼に湛(たた)えて...
寺島柾史 「怪奇人造島」
...突き当りまで茫とした薄闇を湛えていた...
豊島与志雄 「都会の幽気」
...強い意力と冷たい皮肉とを湛えていた...
豊島与志雄 「野ざらし」
...血を湛(たた)えている存在物のように見え出してきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...左が湛慶尊になりきって...
中里介山 「大菩薩峠」
...すると女は始めて女らしい表情を面(おもて)に湛(たた)えて...
夏目漱石 「行人」
...その面持は峻烈な色を湛へてゐたが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...度強く怪奇な光りを湛えて開け放しになつた仁王の眼玉から威圧を享けがちだつたが...
牧野信一 「剥製」
...朧気ながら髪の厚い輝やかしい面が微笑を湛えて見えたり隠れたりした...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...李湛(りたん)...
吉川英治 「三国志」
...御主人はもうお目ざめですか」四郎次郎の家族たちはみな家の外へ出て、本能寺のほうに立ち昇る黒煙を眺めていたので、まずこう問うと、「おや、宗湛さまですか...
吉川英治 「新書太閤記」
...宗湛は携えていた遠浦帰帆之図(えんぽきはんのず)の箱をそこへさし置いて...
吉川英治 「新書太閤記」
...――おや? と湛空はそう思った時に頭をもたげて...
吉川英治 「親鸞」
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