...煙の中に藍(あい)を湛(たた)えて...
泉鏡花 「悪獣篇」
...そして彼女は涙をいっぱいに湛えた目で志保子の顔を見あげながら...
伊藤野枝 「出奔」
...信仰の浄い葡萄酒を湛へた...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「法王の祈祷」
...黄なる水湛(たん)として窪(くぼ)みに溜(たま)りをりて臭気紛々として人に逼(せま)る...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...居士は例の皮肉な微笑を口許に湛(たた)え額のあたりに癇癪(かんしゃく)らしい稲妻を走らせながら...
高浜虚子 「子規居士と余」
...もうこの年ではね」と贅肉(ぜいにく)を湛(たた)えた頬に...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...六大水は久しく湛(たた)えて終に落ちた...
徳冨蘆花 「漁師の娘」
...彼女の口元には硬ばった微笑が湛えられていた...
豊島与志雄 「理想の女」
...微笑を湛へた柔和な顏...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...いつもの微笑を湛へながら言つた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...湛ももう大分大きくなったから...
森鴎外 「ヰタ・セクスアリス」
...中に酒を湛えています...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...瞼毛(まつげ)の影にうるみを湛えた黒い眼や...
横光利一 「上海」
...水もこれに湛(たた)ふれば涙と流れ...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...エメラルドを湛へて底の知れない淵...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...ただ夜風のさざなみを湛(たた)えた中に小さい波紋をのこしていただけだった...
吉川英治 「黒田如水」
...李湛もまた、「弁舌をもって、きっと、馬超を案内して来ます...
吉川英治 「三国志」
...宗湛どのは自身台所へ出られて...
吉川英治 「新書太閤記」
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