...夏の頃水を湛ふることあり)を漫歩して...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...常に明朗な陽春の雰圍氣を湛へて...
石川三四郎 「浪」
...笑を湛(たた)えて...
泉鏡花 「婦系図」
...信仰の浄い葡萄酒を湛へた...
マルセル・シュヲブ Marcel Schwob 上田敏訳 「法王の祈祷」
...大粒な黒眼に激しい潤(うるお)いを湛えて...
大阪圭吉 「死の快走船」
...」満面に笑を湛(たた)えてそう言い...
太宰治 「善蔵を思う」
...ゆったりした頬(ほお)に愛嬌を湛えて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...陣笠をあおむけたような葉がま夏の日光を湛(たた)えかねてゆらゆらとゆれている...
中勘助 「妹の死」
...めうに真鍮(しんちゆう)の光沢かなんぞのやうな笑(ゑみ)を湛(たた)へて彼奴(あいつ)は...
中原中也 「山羊の歌」
...その先に碧を湛(たた)えた海...
野村胡堂 「大江戸黄金狂」
...崩れた庭に残っている青い水を湛(たた)えた池の底なしの貌(かお)つきを...
原民喜 「鎮魂歌」
...団十郎(くだいめ)張りの張りのある眼に柔和な光を湛え...
久生十蘭 「魔都」
...湛盧の剣は呉王の無道を悪んで去って楚に往ったといい...
南方熊楠 「十二支考」
...おそらくあなたの胸のそのあたりにそのような深さで滾々(こんこん)と湛えられている思いが...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...目の前に湖水が濃い藍色(あいいろ)に湛(たた)えられている...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...その眼はやはりやさしそうな深い色を湛えていた...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...ぜひ宗湛とてまえとが...
吉川英治 「新書太閤記」
...世の中はまだ殺伐(さつばつ)な遺風を多分に湛(たた)えている...
吉川英治 「柳生月影抄」
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