...午後五時から烏森の湖月であると云ふ日の晝過ぎであつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...會をやつてる湖月へ少し遲くなるからと云ふ理由の電話をかけて貰つた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...烏森の湖月にひらかれた憲政本党の代議士懇親会で歓交の座上演説に立ちながら...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...その頃、天プラは橋喜(はしぜん)、天金(てんきん)、鰻は神田川、竹葉(ちくよう)、大黒屋、蕎麦(そば)は団子坂の藪に麻布の更科(さらしな)に池の端の蓮玉庵(れんぎょくあん)、といった頃で、親がかりで小遣に不自由の無い私は、毎日毎日うまいもの屋を漁(あさ)り、大学へ行く頃はもう、うまい物横町の中華とか、山谷(さんや)の八百善(やおぜん)とか、新橋の花月とか、百尺、一直、湖月、亀清、柳光亭といった一流二流の割烹屋に押し上り、やがて麻布の興津庵(おきつあん)、向島の雲月などという、ひねったところまで探険して歩いたものです」海蔵寺伯爵の話はその頃から又二十年も前に遡(さかのぼ)りました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...『万葉集』『湖月抄』の御講義を聴講にいっておりました...
長谷川時雨 「大塚楠緒子」
...親に内密で買った湖月抄の第二巻門石の巻の一綴りに...
長谷川時雨 「紫式部」
...平常(つね)の部屋(へや)に倚(よ)りかゝる文机(ふづくゑ)の湖月抄(こげつせう)こてふの卷(まき)の果敢(はか)なく覺(さ)めて又(また)思(おも)ひそふ一睡(いつすゐ)の夢(ゆめ)夕日(ゆふひ)かたぶく窓(まど)の簾(すだれ)風(かぜ)にあほれる音(おと)も淋(さび)し...
樋口一葉 「別れ霜」
...本箱から湖月抄を取り出して...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...丁度手許にあつた湖月抄本とウエイレイの英譯とをちやんぽんに見ながら急いで走り讀みをしましたが...
堀辰雄 「若菜の卷など」
...戒名は寿山院湖月貞輝大姉である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...北村季吟などが作つた「湖月抄」とか...
森鴎外 「假名遣意見」
...湖月(こげつ)に寄って涼んで来ます...
森鴎外 「渋江抽斎」
...偕行社、富士見軒、八百勘、湖月、帝国ホテル、精養軒抔といふ所である...
森鴎外 「追儺」
...湖月に宴会があって行って見ると...
森鴎外 「百物語」
...湖月亭の大人に添削をして頂くようにさえなった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...私は一日ゆるしを得て湖月亭の大人へお別れにあがった...
山本周五郎 「日本婦道記」
...湖月亭の大人から音信のあったことを云いだされた...
山本周五郎 「日本婦道記」
...源氏物語を湖月抄と首引(くびびき)で読んで其(その)質問で予の友人を困らせた程の※心家だ...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
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