...人の活血(いきち)を火吸器(すいふくべ)と渾名(あだな)のある男なり...
泉鏡花 「活人形」
...渾身(こんしん)の勇をふるって...
高見順 「いやな感じ」
...渾然として自他を絶した境である...
種田山頭火 「行乞記」
...渾然として一枚になつた境地である...
種田山頭火 「其中日記」
...この子供の顔の中で渾然(こんぜん)と融合してそれが一つの完全な独立なきわめて自然的な顔を構成しているのを見て非常に驚かされた...
寺田寅彦 「自画像」
...本能の欲求する睡眠を抑制するつらさとが渾然(こんぜん)と融和した形になって当時の記憶を彩っているようである...
寺田寅彦 「箱根熱海バス紀行」
...天地万物の運動はすべて人間には端倪(たんげい)する事の出来ぬ渾沌(こんとん)たるものになるであろう...
寺田寅彦 「方則について」
...渾身(みうち)の熱くなるのを覚えた...
徳田秋声 「縮図」
...あるいは渾沌(こんとん)たる事相の下に...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この点よりして路地はまた渾然(こんぜん)たる芸術的調和の世界といわねばならぬ...
永井荷風 「日和下駄」
...天下を睥睨(へいげい)するという渾成(こんせい)と...
中里介山 「大菩薩峠」
...四周の自然と渾然ひとつになって...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...渾天儀(こんてんぎ)が据ゑつけてあつたではありませんか...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...勢力の多き者は雄渾なり...
正岡子規 「俳諧大要」
...八字の間に壮大雄渾の事物を包含せしむることは甚だ至難なるを以て...
正岡子規 「俳諧大要」
...妙な共通の感覚的渾一においてされていて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...渾力(こんりき)をこめて振りほどこうとしたが...
吉川英治 「剣難女難」
...渾身(こんしん)の力で...
吉川英治 「親鸞」
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