...僕に「さまよえる猶太(ユダヤ)人」と云う渾名(あだな)をつけたのを覚えているであろう...
芥川龍之介 「第四の夫から」
...そして立花は伊勢は横幅の渾沌(こんとん)として広い国だと思った...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...長の青木周蔵と列(なら)んで渾身に外国文化の浸潤(しみわた)った明治の初期の大ハイカラであった...
内田魯庵 「四十年前」
...同じ「妖怪」という渾名をつけられているが...
江戸川乱歩 「悪霊」
...最後の五百メエトルに日本選手は渾身(こんしん)の勇を揮(ふる)って...
田中英光 「オリンポスの果実」
...宋(そう)に戯曲、渾(こん)、詞説(しせつ)有り...
永井荷風 「小説作法」
...渾良夫(こんりやうふ)はもと/\小姓上りとて派手好みの伊達男である...
中島敦 「盈虚」
...「俺は渾良夫(こんりやうふ)だ...
中島敦 「盈虚」
...習合され渾成されるようになったのであると...
中山太郎 「獅子舞雑考」
...そうして三四郎の頭のなかではこの両方が渾然(こんぜん)として調和されている...
夏目漱石 「三四郎」
...同二十三年に出た『シュウェーデンクレエの經驗』に至つては既に渾然たる圓熟味を出してゐる...
成瀬無極 「「トンネル」に就いて」
...その渾天儀を据ゑた塔の頂上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...伜(せがれ)の松二郎がまた性質も容貌(ようぼう)も父に生写しで「障子の穴」という渾名であった...
牧野信一 「鬼涙村」
...作品としての現実が渾然と読者の心を撃つというよりは...
宮本百合子 「「結婚の生態」」
...渾然(こんぜん)と一になりきれない矛盾(むじゅん)に対して...
吉川英治 「親鸞」
...渾身(こんしん)から気合いをしぼって...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...しかも先生は渾身(こんしん)の力を注いで製作しないではいられなかった...
和辻哲郎 「夏目先生の追憶」
...我々はこの渾融した芸術が音楽と踊りとの二方面に純化して行くことをもまた望まなくてはならない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索