...其渾然と仕上げられた「娘」といふものの理窟なく匂はしく愛すべきものであるところの雰圍氣を克明に描寫しよく傳へてゐて...
今井邦子 「水野仙子さんの思ひ出」
...道教思想の雄渾(ゆうこん)なところは...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...それは彼の生涯の渾沌(こんとん)を解くだいじな鍵(かぎ)となった...
太宰治 「葉」
...自己純化――執着――些末に対する――放下なりきる生命律――自然律――自由律 ┌自然のながれ│ リズム自他融合――主客渾一 身心一如 └生命のゆらぎ全と個(私の一考察)あらはれ個を通しての全の表現...
種田山頭火 「一草庵日記」
...父こそは渾身(こんしん)愛に満ちたれど...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...――」「併呑」政府とは英國の渾名である...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...破片となり塵芥(じんかい)となり渾沌(こんとん)たるものとなってしまった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
......
永井荷風 「礫川※[#「彳+淌のつくり」、第3水準1-84-33]※[#「彳+羊」、第3水準1-84-32]記」
...「坊ちゃん」の中に赤シャツという渾名(あだな)をもっている人があるが...
夏目漱石 「私の個人主義」
...これはコルトーの雄渾(ゆうこん)な演奏をもって第一とする...
野村胡堂 「楽聖物語」
...こうして渾然として恋の楽土に住み...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...」堀田忠吉は獣医の「法螺(ほら)忠」という渾名(あだな)だった...
牧野信一 「鬼涙村」
...八字の間に壮大雄渾の事物を包含せしむることは甚だ至難なるを以て...
正岡子規 「俳諧大要」
...雄渾という資質だったから追々成人し...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...このケプラーの時代は雄渾な才能の時代でガリレオ・ガリレイはケプラーの地動説が本になったとき...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...鬼ばばあという渾名が示すような風貌と性分では...
山本周五郎 「季節のない街」
...その太陽は岩石の渾沌たるこの氷島のあらゆる微細な部分まで際立たせた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...煙草を刻みつつ胸を噛(か)む人間性の苦悶を渾身(こんしん)の力によって抑圧し忍び耐えようとするあのしぐさは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??