...田山氏へ冠らせてゐた渾名(あだな)だつた...
芥川龍之介 「あの頃の自分の事」
...渾名を鮹(たこ)と云って...
泉鏡花 「婦系図」
......
関口存男 「移轍(Anakoluth)」
...渾然としたものに...
田山録弥 「三月の創作」
...これが時の精錬器械にかかって渾然(こんぜん)とした一つの固有文化を形成するまでには何百年待たなければならないことか見当もつかない次第である...
寺田寅彦 「沓掛より」
...地は定形(かたち)なく曠空(むなし)くして黒暗(やみ)淵(わだ)の面にあり神の霊水の面を覆ひたりき――創世記黒暗(やみ)の潮 今満ちて晦冥の夜(よる)ともなれば仮構の万象そが※性を失し解体の喜びに酔ひ痴れて心をのゝき渾沌の母の胸へと帰入する...
富永太郎 「夜の讃歌」
...渾沌(こんとん)の中の光だ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...自分のうちの何かが渾沌としていて思い惑う時...
豊島与志雄 「夢の図」
...著者は肉筆画と板画とを合せてここに渾然(こんぜん)たる大美術史を編纂したれどもその所論は殊更(ことさら)北斎を過賞したればフェノロサの研究によるよりもかへつてゴンスに拠りたるものと言はざるべからず...
永井荷風 「江戸芸術論」
...この点よりして路地はまた渾然(こんぜん)たる芸術的調和の世界といわねばならぬ...
永井荷風 「日和下駄」
...列車は薄暮の渾沌(カオス)の町へと滑り込んだ...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...――この渾天儀の臺の下に?」「知るものか」「この臺は思ひの外重いんですがね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渾身(こんしん)の力を肩にこめて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渾然たる歓喜の総量となって空に立ちのぼる...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...舞台上の翁の雄渾豪壮な風格はミジンも認められないが...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...また渾河の左岸を歩いて上流の対岸の山麓にある撫順城を遠望した...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...なにを」次郎は野槍を取ろうとして渾身(こんしん)の力を両腕にあつめながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...あれほど渾然(こんぜん)と踊れるということは...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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