...誠に温順な平和な人で...
大隈重信 「福沢先生の処世主義と我輩の処世主義」
...最も温順な動物でも追いつめられると戦うものである...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...温順なイワンをあはれがつてゐました...
鈴木三重吉 「ざんげ」
...牝(めす)で八〇封度まで体高 三〇吋(インチ)より三二吋習性 気質劇(はげ)しく愛撫すれば温順なるも...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...温順なる家畜の相を呈し...
谷譲次 「踊る地平線」
...どうせお前達には解らんのだから……それよりも酌でもしたらどうだ」温順な細君は徳利を取上げて...
田山花袋 「蒲団」
...師は学生の頃は至って寡言(かげん)な温順な人で学校なども至って欠席が少なかったが子規は俳句分類に取りかかってから欠席ばかりしていたそうだ...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...柔軟温順な外観から離れた...
豊島与志雄 「猫性」
...まだまだ私たちの祖国の土は温順なのであって...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...温順な先生も遂に余りにも悲しい二人の生涯に...
中谷宇吉郎 「『団栗』のことなど」
...あの高慢にあの温順なる身にて事なく仕へんとする氣苦勞を思ひやれば...
樋口一葉 「ゆく雲」
...言行和らぎて温順なるは婦人の特色にして...
福沢諭吉 「女大学評論」
...私は温順な人間ぢやない――あなたはそれを忘れてゐる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...温順な女徳をそんじないようにしなければいけません...
三宅花圃 「藪の鶯」
...彼らの馬の温順なこともまたかくの如くなりき(ティトゥス・リウィウス)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...この三人は性質のきわめて温順なうえに...
山本周五郎 「日本婦道記」
...右京さまは篤実温順なお人で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「……不覚をとるなよ」今、頼朝がそう云ったのは、義経に負(おく)れをとるな、という意味のものと、範頼はうけ取ったので、「弟には負けません」と、温順な彼も、いささか心外なような顔色を示して答えた...
吉川英治 「源頼朝」
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