...最も温順な動物でも追いつめられると戦うものである...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...あまり温順なので...
太宰治 「狂言の神」
...温順なる家畜の相を呈し...
谷譲次 「踊る地平線」
...どうせお前達には解らんのだから……それよりも酌でもしたらどうだ」温順な細君は徳利を取上げて...
田山花袋 「蒲団」
...」自分は同行者の温順な謙譲な人柄からその人がベデカの権威に絶対的に服従してベデカを通しての宮園のみを鑑賞する態度を感心もしまた歯がゆくも思った...
寺田寅彦 「科学上における権威の価値と弊害」
...師は学生の頃は至って寡言(かげん)な温順な人で学校なども至って欠席が少なかったが子規は俳句分類に取りかかってから欠席ばかりしていたそうだ...
寺田寅彦 「根岸庵を訪う記」
...そのような愛のためではありません……」温順なヨシフ神父もこらえきれないで...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...柔軟温順な外観から離れた...
豊島与志雄 「猫性」
...」さすが温順な祖父も...
長谷川時雨 「西川小りん」
...私は温順な人間ぢやない――あなたはそれを忘れてゐる...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...かつ葉は柔らかなれば温順な心情を表わしているともいえる...
牧野富太郎 「植物記」
...温順な女徳をそんじないようにしなければいけません...
三宅花圃 「藪の鶯」
...彼らの馬の温順なこともまたかくの如くなりき(ティトゥス・リウィウス)...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...温順な性分とみえるのに少し神経質で...
山本周五郎 「菊屋敷」
...この三人は性質のきわめて温順なうえに...
山本周五郎 「日本婦道記」
...右京さまは篤実温順なお人で...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...帯刀の温順な性質を知っているので...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「……不覚をとるなよ」今、頼朝がそう云ったのは、義経に負(おく)れをとるな、という意味のものと、範頼はうけ取ったので、「弟には負けません」と、温順な彼も、いささか心外なような顔色を示して答えた...
吉川英治 「源頼朝」
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