...凋(しぼ)まざる温雅の情操を持して...
石川啄木 「閑天地」
...草木花鳥の色彩は濃厚であってしかも温雅(熱帯地方で見るような強烈でしかも単純な色ではなく...
高浜虚子 「俳句への道」
...いかにも大和絵(やまとえ)にありそうな温雅で平和な眺望なのである...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...若先生も典型的な温雅の紳士で...
寺田寅彦 「追憶の医師達」
...主に彼の温雅な人柄と...
寺田寅彦 「レーリー卿(Lord Rayleigh)」
...梵天帝釋の温雅整肅にまします...
内藤湖南 「寧樂」
...されば春信の板画は過去の粗大と将来の繊細との中間に立ちて独(ひと)り温雅優美の情を恣(ほしいまま)にするものといふべきなり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...ロンドン交響楽団を指揮した温雅(おんが)な美しさに興味が傾き(JW二九九―三〇二)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...前者は吹込みは古いが温雅な演奏で...
野村胡堂 「楽聖物語」
...玉を刻んだような冷澄な顔立ちや温雅な立(たち)い振舞...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...どの作のどの女(ひと)を見ても、幽艶、温雅、誠実、艶美、貞淑の化身(けしん)であり、所有者でありながら、そのいずれにも何かしら作者の持っていたものを隠している...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...義兄の深切で嫁(とつ)ぐまでをその家でおくることになったが、姉夫婦は鄙少女(ひなおとめ)の正子を都の娘に仕立(したて)ることを早速にとりかかり、気の強い彼女を、温雅な娘にして、世間並みに通用するようにと、戸板裁縫女学校を選(え)らまれた...
長谷川時雨 「松井須磨子」
...温雅優麗な貴公子を父として...
長谷川時雨 「柳原※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子(白蓮)」
...温雅にして同情に充(み)ちたるものでなくなったことは...
柳田国男 「木綿以前の事」
...高貴の生れであるために温雅沈着なのではなく...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...何もかも知り尽した温雅で善良で快活そうな老紳士である...
横光利一 「欧洲紀行」
...覇気熱情(はきねつじょう)も日頃は温雅典麗(おんがてんれい)な貴人の風につつまれている...
吉川英治 「三国志」
...相手の温雅淳朴(おんがじゅんぼく)なすがたを見て...
吉川英治 「新書太閤記」
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