...凋(しぼ)まざる温雅の情操を持して...
石川啄木 「閑天地」
...いかにも大和絵(やまとえ)にありそうな温雅で平和な眺望なのである...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...温雅淡白よりも豊艶爛熟を喜ぶ白秋氏...
種田山頭火 「夜長ノート」
...まず第一楽章六句はおのずから温雅で重厚な気分に統一されている場合が多いようである...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...梵天帝釋の温雅整肅にまします...
内藤湖南 「寧樂」
...文化時代の繊巧は往々にして以前の優美温雅の趣きを失はしむるに至りぬ云々(うんぬん)...
永井荷風 「江戸芸術論」
...我々でお能の催しでもしようではないかという温雅な説も出て来ました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その温雅な美しいながめに於て大菩薩に来るほどの人を心酔せしめる処のものであります...
中里介山 「山道」
...前者は吹込みは古いが温雅な演奏で...
野村胡堂 「楽聖物語」
...感じのよい温雅の色合を帶びて見える...
萩原朔太郎 「宿命」
...どの作のどの女(ひと)を見ても、幽艶、温雅、誠実、艶美、貞淑の化身(けしん)であり、所有者でありながら、そのいずれにも何かしら作者の持っていたものを隠している...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...人の心を温雅にし明暢にする...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...けれど温雅な田園畫家の高士と...
吉川英治 「折々の記」
...瑾(きん)君の温雅な情操がわかる気がします」と...
吉川英治 「三国志」
...貞淑温雅(ていしゅくおんが)で...
吉川英治 「三国志」
...相手の温雅淳朴(おんがじゅんぼく)なすがたを見て...
吉川英治 「新書太閤記」
...人いちばい好学温雅なるために...
吉川英治 「新書太閤記」
...この半禿頭の温雅な先生は授業熱心で生徒によく慕われていた...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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