...凋(しぼ)まざる温雅の情操を持して...
石川啄木 「閑天地」
...女学校出とは思はれぬ様な温雅(しとや)かな娘で...
石川啄木 「札幌」
...温雅なる淑女の様(さま)は我得んと欲して得る能わず...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...また温雅なる色彩とか...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...温雅淡白よりも豊艶爛熟を喜ぶ白秋氏...
種田山頭火 「夜長ノート」
...本当の諷刺や、皮肉は、自然にして、温雅にして、同情があって、洞察があって、世間の酸(す)いも甘いもかみ分けて、それを面(かお)にも現わさず、痒(かゆ)いところへ手が届きながら掻(か)かず、そうしてその利(き)き目が、時間がたつほど深刻に、巧妙に現われて来るものだが……本当の諷刺家がいないのは、つまり本当の批評家がいないのだ、というような議論になって、蚊一つの問題から、炉辺が異常なる緊張を示したのも、時にとっての一興でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...一(いつ)は温雅にして沈痛...
中里介山 「大菩薩峠」
...その温雅な美しいながめに於て大菩薩に来るほどの人を心酔せしめる処のものであります...
中里介山 「山道」
...ロンドン交響楽団を指揮した温雅(おんが)な美しさに興味が傾き(JW二九九―三〇二)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...温雅といった方がよかった...
火野葦平 「花と龍」
...世にもめずらしい善良温雅な婦人が佇(たたず)んでいた...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...形態への空虚な厳格な奉仕の中にあるあの温雅な態度を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...温雅にして同情に充(み)ちたるものでなくなったことは...
柳田国男 「木綿以前の事」
...何もかも知り尽した温雅で善良で快活そうな老紳士である...
横光利一 「欧洲紀行」
...けれど温雅な田園畫家の高士と...
吉川英治 「折々の記」
...覇気熱情(はきねつじょう)も日頃は温雅典麗(おんがてんれい)な貴人の風につつまれている...
吉川英治 「三国志」
...貞淑温雅(ていしゅくおんが)で...
吉川英治 「三国志」
...相手の温雅淳朴(おんがじゅんぼく)なすがたを見て...
吉川英治 「新書太閤記」
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