...四郎は温和な悧巧な美少年だったけれど...
海野十三 「雷」
...気候の温和なため...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...前とは反対にたいへん温和な...
寺田寅彦 「自画像」
...が温和な円みをもっているもの...
豊島与志雄 「椎の木」
...彼の温和な性質と批評眼の欠如――あらゆる不穏な考えを避けるために半ばは自意識的な――とは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...温和な大男で、頭には黒い丸帽をかぶり、白い仕事服をつけ、老兵士みたいな灰色の口髭(ひげ)を生やし、赤筋の立った薄青いぼんやりした眼をし、眼の下の眼瞼(まぶた)が落ちくぼみ、頬はいつも汗ばんで柔らかで艶々(つやつや)していて、神経痛の足を引きずり加減に歩き、息が短く、舌が重かった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...全く温和な柔かさと円みとを具えていました...
豊島与志雄 「碑文」
...二人共どちらかというと温和な方で...
豊島与志雄 「道連」
...そして今の広い温和な性質は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...温和な袁の性格が...
中島敦 「山月記」
...その頃の乱歩氏は三十才そこそこの若さではあったが、温和な顔立ちと、落着いた話振りは今とあまり変りはなく、大島かなんかの和服姿であったと思う...
野村胡堂 「乱歩氏と私と」
...あの温和な老人がかうしたことをやるのだらうかと怪しんでみたが...
北條民雄 「間木老人」
...温和なチェホフが...
宮本百合子 「ある回想から」
...平時は寧(むし)ろ温和なる方なりき...
山路愛山 「透谷全集を読む」
...血色のいい顔に温和な微笑を湛え...
山本周五郎 「やぶからし」
...幾世代かの文明の刻印を打たれた温和な南国の犬ではなくて...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...安全この上もない平坦温和な地上に見える...
横光利一 「欧洲紀行」
...温和な口もとに挟んだ煙草に火も点けず...
横光利一 「旅愁」
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