...温和なうちにちゃんとしたところがあり...
伊藤左千夫 「隣の嫁」
...四郎は温和な悧巧な美少年だったけれど...
海野十三 「雷」
...温和な春の日の箱車(はこぐるま)のなかに狎(な)れ親しんでちやうど麝香猫と褐色の栗鼠(りす)とのやうにいがみあふ...
大手拓次 「藍色の蟇」
...娘のような温和な婦人であったが...
デフォー Daniel Defoe 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...彼の温和な性質と批評眼の欠如――あらゆる不穏な考えを避けるために半ばは自意識的な――とは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして彼は温和な微笑(ほほえ)みを浮かべてみずから言った...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...人のよい温和な笑みを浮べながら...
豊島与志雄 「同胞」
...」と彼は温和な微笑を浮べた...
豊島与志雄 「楊先生」
...六の温和な顔をした大人が閑臥し...
久生十蘭 「新西遊記」
...山川は比島の知識階級に親比島派の温和な日本人の一人として印象され...
久生十蘭 「蝶の絵」
...幾日も温和な日がつづいたが...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...しぶとい粘着さとを彼は温和な容貌の下に秘めていた彼は南方の代表的なボルセヴイキの一つの型だった私は彼と同じ空色の軒の下に暮して牢獄の窓から窓に...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...こういう警戒の気持と、平生の温和な、誰にも礼の正しい彼のひとがらに少しずつひきつけられ、信頼するようすがあきらかになった...
山本周五郎 「いさましい話」
...但しこの場合には織部が温和な性格で...
山本周五郎 「ちくしょう谷」
...君子を産んでからまるで人が変わったように円満で温和な人になった...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...安全この上もない平坦温和な地上に見える...
横光利一 「欧洲紀行」
...あの温和な物ごしや...
吉川英治 「新書太閤記」
...しかし純粋なインカであるワスカルが、いかにも温和な、寛容な性格であったのに対して、辺境のキトー人との混血児たるアタワルパは、四五歳の年少であるのみならず、非常に争闘的な、野心に富んだ人物であった...
和辻哲郎 「鎖国」
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