...唯平氏が彼等に対して温和なりしが為のみ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...むしろ温和な弱々しい感じであった...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...劍山の隱者とでも稱すべき頗る温和な性格の鬼なのである...
太宰治 「お伽草紙」
...娘のような温和な婦人であったが...
デフォー Daniel Defoe 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...あるいはまた津田君の寡黙な温和な人格の内部に燃えている強烈な情熱の(ほのお)が...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...他のあらゆる国民を憎み――(ごく温和な時には軽蔑(けいべつ)するだけで満足していたが)――自国民のうちにおいてさえ...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...彼はごく温和な共和主義者であり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...これは寺子屋の師匠そっくりの長身温和な浪人風――気分から...
中里介山 「大菩薩峠」
...山川は比島の知識階級に親比島派の温和な日本人の一人として印象され...
久生十蘭 「蝶の絵」
...彼女は細(ほつそ)りした身體つきと、蒼白い、温和な顏と、美しい髮とを持つてゐた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...しぶとい粘着さとを彼は温和な容貌の下に秘めていた彼は南方の代表的なボルセヴイキの一つの型だった私は彼と同じ空色の軒の下に暮して牢獄の窓から窓に...
槇村浩 「同志古味峯次郎」
...私がかんしゃくを起すから温和なこの人まで神経をたてて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...気性の知れた温和な...
山本周五郎 「寒橋」
...血色のいい顔に温和な微笑を湛え...
山本周五郎 「やぶからし」
...君子を産んでからまるで人が変わったように円満で温和な人になった...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...慈悲はもつと温和な風土のためにとつてあつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...温和な皺(しわ)にひきつけてこう話した...
吉川英治 「梅※[#「風にょう+思」、第4水準2-92-36]の杖」
...義昭に対しても温和な使者を送っておのれの娘を人質に出そうとさえもした...
和辻哲郎 「鎖国」
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