...四郎は温和な悧巧な美少年だったけれど...
海野十三 「雷」
...蟹田川といふ水量ゆたかな温和な川がゆるゆると流れてゐて...
太宰治 「津軽」
...温和な天気だったのが午後になって...
豊島与志雄 「霧の中」
...彼はごく温和な共和主義者であり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この絵本の色彩は歌麿が『吉原年中行事(よしわらねんちゅうぎょうじ)』と同じく各色(かくしょく)の間に配合せられし緑(みどり)黄(き)の二色(にしょく)は常によく全画面の色調を温和ならしめたり...
永井荷風 「江戸芸術論」
...いかに温和なる人間も...
中里介山 「大菩薩峠」
...ひとたび信者となってからは手を覆(くつがえ)したごとく温和な柔順な...
新渡戸稲造 「自警録」
...言いようのない温和な笑顔をうかべて...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...六の温和な顔をした大人が閑臥し...
久生十蘭 「新西遊記」
...温和な微笑をうかべながら...
久生十蘭 「ひどい煙」
...どんなに深い驚きといぶかしさで眺(なが)めたことであろう! あんなにしかつめらしく温和な顔をして...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...南米の土人これを飼いて豕とし温和なること羊のごとくなる...
南方熊楠 「十二支考」
...この温和な友だちは...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...じつに温和な女性であったが...
柳田国男 「故郷七十年」
...“女のピエロって、可愛いいよ、抱いて寝てみてェなあ――”“マダム・キュウリーに恋人があったって”白菊に、温和な、善良そうな娘さんが一人いる...
山崎富栄 「雨の玉川心中」
...慈悲はもつと温和な風土のためにとつてあつた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
...温和な円い眼だけが笑いを湛えているので人の集りに生ずる隙間を...
横光利一 「旅愁」
...義昭に対しても温和な使者を送っておのれの娘を人質に出そうとさえもした...
和辻哲郎 「鎖国」
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