...若しくは包んで温めて呉れるものがなかつたら自分の心は永久に不滿である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...この地上の熱や光りではとても温めることも出来ず...
レオニード・ニコラエヴィッチ・アンドレーエフ 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...物を温めるやうな朝日影が斜めに流れ渡つてゐた...
石川啄木 「道」
...桶の下は電熱で温められている...
海野十三 「殺人の涯」
...潜水服の中に温めてあった牛乳と甘いコーヒーを...
海野十三 「地球発狂事件」
...ほうりだして滴した酒壷の酒を温めてもてなしてくれた...
田中貢太郎 「断橋奇聞」
...自分で往って器を洗い酒を温めようとした...
田中貢太郎 「陸判」
...燃ゆる火を起こして父娘に身体を温めさせる...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...僕を温めてくれ、もっと温めてくれよ...
豊島与志雄 「悲しい誤解」
...内部から温めるに限る...
豊島与志雄 「反抗」
...私の苦みはやゝ温められた...
中沢臨川 「愛は、力は土より」
...それは手の温みによる輻射熱と手で温められた空気の対流とによることが分ったので...
中谷宇吉郎 「雪」
...足の踵を温めるために足を摩擦する...
マクス・ノイバーガー Max Neuburger 水上茂樹訳 「医学の歴史」
...しばらく手を温めてから...
久生十蘭 「キャラコさん」
...葉石よりも直接に旧情を温めたき旨(むね)申し来るなど...
福田英子 「妾の半生涯」
...要心深く砂地に腹を温めた...
牧野信一 「スプリングコート」
...次第に二人の間は温められていった...
正岡容 「寄席」
...空気は陽に温められた枯草の香ばしい匂いがした...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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