...そこで王は始終バルキスの肌の温みを感じる事が出来た...
アナトール・フランス Anatole France 芥川龍之介訳 「バルタザアル」
...自分の膚の温みはあの手紙からは消えているなと園は思った...
有島武郎 「星座」
...ほつと異性の温みに接する心地がするのでした...
石川三四郎 「浪」
......
上田敏 「まちむすめ」
...一枚の大きな石英岩を土臺としてゐる相川は家の柱の土臺石から凍り切つた地盤一面に總べての生物の温みを吸ひ取るのではないかと思はれるのです...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...大地の温みに長い冬の眠から覚めたこの小さな蔬菜は...
薄田泣菫 「春菜」
...自由自在に流れて來る少しづゝ此世の空氣に微妙に温みをそゝいでゐるのが目に見えるやうだ...
千家元麿 「自分は見た」
...それは己(じぶん)の姨(おば)さんのような温みのある詞(ことば)であった...
田中貢太郎 「春心」
...そうして蒲団(ふとん)の温みに圧(お)されて...
中里介山 「大菩薩峠」
...それは手の温みによる輻射熱と手で温められた空気の対流とによることが分ったので...
中谷宇吉郎 「雪」
...北國の旅人はその自然に對して何等の親しみも温みも感じることが出來ない...
「修道院の秋」
...あれだけの重傷を負った死体に温みが残っていたとすれば...
平林初之輔 「五階の窓」
...盥の水には仄かな温みがあふれてゐた...
牧野信一 「滝のある村」
...これに温みが加はつて愛になり(Panaetius)...
森鴎外 「古い手帳から」
...その良人の掌の温みに夫人はまごついて...
矢田津世子 「女心拾遺」
...厚みもあり温みもあり...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...正吉は腕を伝わって感じるお美津の温みに...
山本周五郎 「お美津簪」
...巷(ちまた)の苦しみと寒さに凍えていたお蝶の心に情けの温みを知らしめたようです...
吉川英治 「江戸三国志」
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