...肚(はら)の中では負けず劣らず温い色の野菜を嫌っているようです...
芥川龍之介 「不思議な島」
...◇ ◇辻音楽師は温い春をばら撒いた乞食見たいな天使...
李箱 「興行物天使」
...羅がそれを着てみると襦(はだぎ)のように温いうえに...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「翩翩」
...しかし人の涙となれば生温い...
外村繁 「夢幻泡影」
...温い息が感ぜられた...
豊島与志雄 「二つの途」
...比較的温い氷が負になるというようなことが分ったのである...
中谷宇吉郎 「低温室だより」
...温い陽ざしにあてて...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...温い愛情が湧(わ)いて来るのであつた...
新美南吉 「良寛物語 手毬と鉢の子」
...たゞ論理ばかりを吹込んで、人間として最も重んずる所の、温い情と、高き人格とを養成しなかつたならば、如何にも論理學を刻み出す器械に相違ない...
新渡戸稻造 「教育の目的」
...心は温い家庭を思った...
橋本五郎 「自殺を買う話」
...細かい洞察と温い同情を缺いてゐる...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...もっとも極(ご)く寒い時は温い処へ持って来て立てますけれども夏はよっぽど涼しい処で立てないと泡の質が粗雑に出来ます...
村井弦斎 「食道楽」
...優しい胸に温い性命の満ちている穉子(おさなご)がここにいたのだ...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...こんなに温いんですもの...
横光利一 「旅愁」
...顏ところで、長谷川氏のその、何年ぶりかで會つたとたんの――いゝ顏になつたね、といきなりぼくへ云はれた氏のことばであるが、ぼくには、愉快な、温い、多くを云はずに、率直な情をよく盡したものに耳を打つた...
吉川英治 「折々の記」
...生温い異様な風だ...
吉川英治 「三国志」
...生前の温い唇(くち)から聞いていた...
吉川英治 「新書太閤記」
...二人は温い日当りをよつて散歩に出たのだが...
淀野隆三 「横光さんと梶井君」
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