...水は僅に臍(ほぞ)のあたりを渦巻きながら流れるばかりぢや...
芥川龍之介 「きりしとほろ上人伝」
...濃(こまや)かなる一脉(みゃく)の煙は渠(かれ)の唇辺(くちびる)を籠めて渦巻きつつ葉巻の薫(かおり)高かりけり...
泉鏡花 「海城発電」
...その渦巻きを巻き起して...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...どこかに渦巻き渦巻き拡がってゆく...
豊島与志雄 「或る作家の厄日」
...光と色と音との錯雑した卑俗な渦巻きの中に...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...ごった返してる渦巻きのうなりが...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...強い力が渦巻きこんで...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...水面が渦巻きだしたまん中にぽかりと卯平の顔が出た...
火野葦平 「糞尿譚」
...夢見るやうな眼をそろへて光りの渦巻きを見降してゐた...
牧野信一 「南風譜」
...不安や恐ろしさや悲しさが私の心の中に渦巻き立つと胸がこわばって息をするにさえ苦しい様になった...
宮本百合子 「悲しめる心」
...渦巻き起る不可解に続く不可思議...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...お目にかかる事が出来たので御座います」「芝居だ芝居だ」「スゴイスゴイ……」「ああ……たまらねえ」満場の人々のタメ息が一瞬間笹原を渡る風のように渦巻きドヨめいて直ぐに又ピッタリと静まった...
夢野久作 「二重心臓」
...その底の抜けた穴の上にステキに大きな肉挽き器械のギザギザの渦巻きが...
夢の久作(夢野久作) 「人間腸詰」
...グルグルグルグルと渦巻き輝やきながら...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...それぞれ本国の東洋に渦巻き起す風波の結果を考えると...
横光利一 「旅愁」
...また別した渦巻きを体内に感じ...
横光利一 「旅愁」
...辺りには螺旋を描いて霧が渦巻き...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...その体験は今我々の現在の人格の内に渦巻きあるいは交響している...
和辻哲郎 「創作の心理について」
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