...それは日曜日の渡り廊下...
中原中也 「在りし日の歌」
...あの子が生きてさへゐれば……」――渡り廊下を駆け寄つて来る看護婦の足音がした...
中原中也 「医者と赤ン坊」
...大学の寒い渡り廊下の片隅で...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...後から暗い渡り廊下を行つたことだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渡り廊下まで來ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...時々は自分で隱居所へ膳を運ぶこともあるが、月に一度腐つた干物でもつけると、離屋の隱居所へ入る前に、あの渡り廊下で、野良犬を呼んで投げてやり、隱居へは空つぽの皿だけ見せる相ですよ、――年寄には油つ濃いものは毒だといふんだ相で、躾け/\で、先代の一人娘お柳さんをいぢめ拔くのと、同じ術(て)ですね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渡り廊下續きに納屋に面して居るので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見ると、渡り廊下に、たつた今自分が刺した筈の、お信が常吉と二人で、雨垂を眺めて居るぢやないか、すると葛籠の中は誰だらう、――與三郎は膽をつぶしたことだらう」「成程ね、あの時、與三郎は納屋で仕事をして居たと言つた癖に、ひどく濡れて居たさうですね」「その上、金之助が裏の方で、チラリと與三郎を見て居る」「何んだつて、そんな虐(むご)たらしい事をやる氣になつたんでせう」「兄嫁のお淺が憎かつたのさ、――それに、お雪が嫁に行つて、娘のお信が死んでしまへば、姪のお松があの家の跡取になれると思つたんだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「さア、歩け」厭も應もありません、眼隱しをされたまゝの清右衞門は、後ろから匕首(あひくち)らしいもので小突かれ、チクチクするのを我慢して、渡り廊下傳ひに、手近かの土藏に案内するのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...門内に渡り廊下の長い橋のある馬込(まごめ)さんという家があったが...
長谷川時雨 「源泉小学校」
...太鼓なりの渡り廊下のはしから階下へおりる階段へつづき...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...渡り廊下の処まで来ると...
牧野信一 「南風譜」
...」滝尾の足音が渡り廊下に消えて行くのに雪江は耳を傾けてゐた...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...部屋の横手は一段下って湯殿へ通じる渡り廊下になっていた...
矢田津世子 「茶粥の記」
...冲左衛門を渡り廊下の口まで...
山本周五郎 「山彦乙女」
...先に立って渡り廊下から望翠楼の階上へと案内して行った……そこはかつての夜...
山本周五郎 「夜明けの辻」
...×渡り廊下を通って...
吉川英治 「剣難女難」
...対(たい)ノ屋(や)から長い渡り廊下をへだて...
吉川英治 「平の将門」
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