...常子が渡り廊下を渡って知らせに来た...
谷崎潤一郎 「細雪」
...けだし佐助が忍(しの)び出た物干台というのは店舗(てんぽ)の屋上にあったのであろうから真下に寝ている店員共よりも中前栽(なかせんざい)を隔(へだ)てた奥の者が渡り廊下(ろうか)の雨戸を開けた時にまずその音を聞きつけたのである...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...表御殿から奥へかよう長い/\渡り廊下があったが...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...大学の寒い渡り廊下の片隅で...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...北側の渡り廊下を距てた離屋で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...渡り廊下まで來ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...見ると、渡り廊下に、たつた今自分が刺した筈の、お信が常吉と二人で、雨垂を眺めて居るぢやないか、すると葛籠の中は誰だらう、――與三郎は膽をつぶしたことだらう」「成程ね、あの時、與三郎は納屋で仕事をして居たと言つた癖に、ひどく濡れて居たさうですね」「その上、金之助が裏の方で、チラリと與三郎を見て居る」「何んだつて、そんな虐(むご)たらしい事をやる氣になつたんでせう」「兄嫁のお淺が憎かつたのさ、――それに、お雪が嫁に行つて、娘のお信が死んでしまへば、姪のお松があの家の跡取になれると思つたんだらう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...母屋へつづく渡り廊下のほうに軽い足音が聞え...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...夕食がすむと渡り廊下づたひにホテルへ行き...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...渡り廊下の処まで来ると...
牧野信一 「南風譜」
...」滝尾の足音が渡り廊下に消えて行くのに雪江は耳を傾けてゐた...
牧野信一 「夜の奇蹟」
...表の建物とは渡り廊下でつながっていた...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...茶室は渡り廊下で母屋に続いているが...
山本周五郎 「思い違い物語」
...渡り廊下を渡ると...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...冲左衛門を渡り廊下の口まで...
山本周五郎 「山彦乙女」
...×渡り廊下を通って...
吉川英治 「剣難女難」
...よいようにお使いなされ」細い渡り廊下をこえて...
吉川英治 「新書太閤記」
...対(たい)ノ屋(や)から長い渡り廊下をへだて...
吉川英治 「平の将門」
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