...渠(かれ)は河ごしは濟みたりと笑ひて...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...渠は足駄を脱いだ...
石川啄木 「足跡」
...「男は死ぬまで孤獨だ!」という渠の悲哀と共に...
石川啄木 「鳥影」
...女は眼を圓くして渠を仰いだが...
石川啄木 「病院の窓」
...渠の時間の學科はよく下調べをして來て...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...渠には、然し、どうせお鳥に金を掛けるなら、裁縫のやうな下らない物ではかく、渠自身の好きな藝術の道の一端にたづさはらせて置きたいと云ふ慾目もないではなかつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それがあまいやうな味を渠のからだ中に傳へた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...渠は鹽山で苦しい目に會ひ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そして渠は、多少の慾目が手傳つてゐるとは身づから思ひながらも、既に二人まで失敗した女優養成を今一度かの女にやつて見ようと考へ付いた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...渠は全く途方に暮れた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...渠は今、遊び半分に、自分の本籍地たる村落(札幌郊外)の合併問題に奔走してゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...それにも、渠の私行上の、然し渠自身からおほびらにしてゐることの素(す)ツ突(ぱ)拔(ぬ)きが載つてゐる...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そして、どうせ、ここを退去して、内地へ歸らなければならないのかと思ふと、渠には、北海道のみづ/\しいのに比べて、おやぢ臭く思はれる内地が目(ま)のあたり、脊の高い、大きな鼻のさきの赤い、目の鋭い、巖丈(がんぢやう)な、白髯(はくぜん)の老翁と見えて來て、やがて、義雄を力強くその面前に引きすゑて、――義雄は曾て實際にさうされた時の力を感ずる――「馬鹿!」――「不孝者め!」――「先祖代々の業(ごふ)さらし!」などと、非常な權威を以つて糺明(きうめい)する...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...「僕は渠等よりもずツと現代的な偉人だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...渠が室に這入ると...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...汚水の溝渠(こうきょ)にもそのクリストフ・コロンブスがいた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...テムズの諸船渠(ドック)に停泊中の船員なのだが...
牧逸馬 「女肉を料理する男」
...その渠首(きょしゅ)五人を捕斬しようやく鎮(しず)まったという(『東国通鑑(つがん)』五一)...
南方熊楠 「十二支考」
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