...其源は渓間の小流のみ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...ここかしこの山間渓間にはまだ残雪が深く...
上村松園 「北穂天狗の思い出」
...山の渓間で菖蒲を描いてゐると...
薄田泣菫 「独楽園」
...松下の村たる、南は大川を帯ぶ、川の源、渓間数十里、人能(よ)く窮むるなし、蓋(けだ)し平氏遺民の隠匿(いんとく)する処...
徳富蘇峰 「吉田松陰」
...雪の渓間(たにま)がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...先日渓間(たにま)で斬(ざん)に遭った女どもの一人が彼の妻だったとも言う...
中島敦 「李陵」
...渓間(けいかん)の懸絶(けんぜつ)するに逢(あ)へば...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...一度麓(ふもと)の渓間(たにま)に降りてまたまた嶮(けわ)しき峰をよじ登らねばならぬ...
新渡戸稲造 「自警録」
...渓間(たにま)に築いた炉は...
野村胡堂 「江戸の火術」
...牛の牢という渓間(たにま)にゆく...
森鴎外 「みちの記」
...横を流れる河が渓間に添いウィーンの平野の方へ徐徐に開けて行くのが見えた...
横光利一 「旅愁」
...渓間の間にほのかに靄が湧いて来た...
若山牧水 「木枯紀行」
...渓間の林の間を歩いてゐた自分の幼い姿をすぐ思ひ浮べる...
若山牧水 「岬の端」
...右に云った宿はずれの崖の上から見下した渓間の流れに臨んで二軒の温泉宿がある...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...兎に角此処の渓間にはこの花が多い...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...聞くともなくそれの鳴く音に耳を澄ますのはまた渓間の温泉の一徳であろう...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...白骨温泉嶮しい崖下の渓間に...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...いまその伊奈節がこの日影乏しい秋の渓間に起って居ようとは思わなかった...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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