...余り余裕のない懐(ふとこ)ろから百何十円を支払って大辞典を買うというは知識に渇する心持の尋常でなかった事が想像される...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...世事に馴(な)れない青年や先輩の恩顧に渇する不遇者は感激して忽ち腹心の門下や昵近の知友となったツモリに独(ひと)りで定(き)めてしまって同情や好意や推輓(すいばん)や斡旋(あっせん)を求めに行くと案外素気(そっけ)なく待遇(あしら)われ...
内田魯庵 「三十年前の島田沼南」
...『都の花』はあたかも世間が清新の読物に渇する時に生れたので...
内田魯庵 「美妙斎美妙」
...あの店の財源はたちまち涸渇する...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...いくら書いても涸渇する事があろうなどとは思いも及ばなかったのです...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...容易に涸渇する筈がないと信じて居た私の思想は...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...田植しても枯渇する地方のみじめさ...
種田山頭火 「其中日記」
...しかれども連日雨に渇する東海道の農民にとりては...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...渇する者に水とか湯とかいう本文通り...
中里介山 「大菩薩峠」
...固定観念が条件反射的にあるうちはまだよいが無条件反射とまでなるや芸術は涸渇する...
中原中也 「芸術論覚え書」
...静謐((せいひつ))に渇する彼は...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...常に混濁且つ涸渇するので...
久生十蘭 「魔都」
...成熟期から晩年とその想像力の描き出す形は少し宛違つて来てはゐるが最後迄涸渇することを知らなかつた...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...幸に私の著訳は世間の人気に役じて渇する者に水を与え...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...想像力たるや決して枯渇することがない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...この僧渇する時鉢を空中に擲(なげう)てば自然に蜜もて満ち...
南方熊楠 「十二支考」
...渇する者は飲を為し易く...
山路愛山 「凡神的唯心的傾向に就て」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??