...彼れは酒の香をかぐと急にえぐられるような渇きと食欲とを覚えて...
有島武郎 「カインの末裔」
...今度はまた非常に喉が渇き...
岩野泡鳴 「日高十勝の記憶」
...男につくすことへの女らしい渇き...
高見順 「如何なる星の下に」
...のどの渇き申候節は...
太宰治 「不審庵」
...囘龍は水の音を聴いていると、渇きを覚えた...
小泉八雲 田部隆次訳 「ろくろ首」
...いらだたしげに扇を掌に握り緊めながら激しい渇きを覚えた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...そして私が飢えまたは渇きに悩むときには食物あるいは飲料を必要とし...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...あゝ夕雲のかけりゆく空のあなたぞなつかしき心の渇きとゞむべきそこに生命(いのち)の川あらむ眞理のかどを開くべきそこに秘密(ひみつ)の鍵あらむ...
土井晩翠 「天地有情」
...夏以来渇ききっている世帯のなかからさしあたり相当の支度もしなければならぬことが...
徳田秋声 「黴」
...我に返ったように喉の渇きを常えた...
豊島与志雄 「立枯れ」
...その渇きは水甕(みずがめ)よりもむしろ酒びんをほしがるような類(たぐ)いのものだった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ああ秋も暮れゆくこのままに故郷にて朽つる我にてはよもあらじ草の根を噛みつつゆくものどの渇きをこらへんためぞ畠より疲れて歸り停車場の裏手なる便所のほとりにたたずめり日はシグナルにうす赤く今日の晝餉に何をたうべむ(故郷前橋にて)...
萩原朔太郎 「晩秋哀語」
...あるいは彼の喉の渇きを癒すためにやってきた天使を愛したのと同じことだった...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...はげしい疲労と喉の渇きだけだ...
久生十蘭 「海難記」
...女は泣く浅瀬に洗う女浅瀬に立ちてせわしく動くこの殺戮のむれのすべての罪ふかき血を洗い流しかれらの骨をこまかき白砂に踏み砕き彼女の渇きたる剣の渇きをひそかに笑いつつ浅瀬に洗う女トオカルがその歌をうたい終った時...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「浅瀬に洗う女」
...剣はながき渇きにかわけば」とおお月よ...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...渇きがその苦痛の中に消えて...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...渇きもとめる思いや清純なる憤りや深い哀愁が日々に映る...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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