...清洌な秋の暁の気が...
石川啄木 「天鵞絨」
...ちょうど清洌な水の底にある汚物が...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...清洌な岩間の水が絶えず足下を洗うかと疑われる皮膚の潤沢...
谷崎潤一郎 「刺青」
...えびのいる清洌(せいれつ)な小川の流れ...
寺田寅彦 「田園雑感」
...譬(たと)えようもなく清洌(せいれつ)な純粋な漢の国土への愛情(それは義とか節とかいう外から押しつけられたものではなく...
中島敦 「李陵」
...褌まで取つて清洌な水に押し揉んで...
長塚節 「旅行に就いて」
...渇くような思いで地上の清洌(せいれつ)な流れを瞼に思い浮かべた...
久生十蘭 「地底獣国」
...氷河の蒼氷を溶かしては流すアルヴの清洌...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...黒いほど濃い緑葉のなかに清洌(せいれつ)な対照であった...
本庄陸男 「石狩川」
...ところがやゝ経つて、ヒョイと不動の滝を見るとおどろいた、いまゝで清洌、玉のやうだつた滝の水が、忽ち無気味に赤ちやけた濁水と化してゐる...
正岡容 「落語家温泉録」
...その道徳観の根本には「女を見て色情を起すものは……」という福音書のモラルにも劣らない清洌厳正なものが感じとられるばかりでなく...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...今日ではモンテーニュの道徳こそ人間としてもちうる限りの最も清洌なものであることに異議をさしはさむ者はないであろう...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
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