...みのるは橋の角の交番で「清月」と云ふ貸席をたづねると...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...清月はその通りの右側にあつた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...清月でみのるは酒井にも行田にも逢つた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...清月にゐる間の自分を省みると...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...二三日してからみのるは再び清月へ通ひ出した...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...つい先だって来た時にお宮と一処(いっしょ)に薬師の宮松亭(みやまつてい)に清月の婆さんをつれて女義太夫(おんなぎだゆう)を聴きにいって遅(おそ)く帰った時...
近松秋江 「うつり香」
...清月にいって掛けるとお宮はすぐやって来た...
近松秋江 「うつり香」
...清月にいって菊ちゃんを呼んでもらおうかしら!」独語(ひとりごと)のように考えかんがえいってやった...
近松秋江 「うつり香」
...そして翌日(あくるひ)の大晦日(おおみそか)には日の暮れるのをまちかねてまた清月に出かけた...
近松秋江 「うつり香」
...私は清月にゆかずに...
近松秋江 「うつり香」
...いつか清月も柳沢に知れているから他にどこか好いところはないだろうかとお宮に相談したら...
近松秋江 「うつり香」
...年も若いし、相当の売れっ妓(こ)になっている芸妓――兵馬は一時(いっとき)、それの姿に眼を奪われて、「どうかなされたかな」「やっと、ここまで逃げて来たんです、もう大丈夫」「どこから?」「清月楼から」「清月楼というのは?」「お前さん、飛騨の高山にいて、清月楼を知らないの?」「知らない」「ずいぶんボンクラね」「うむ」「ほら、中橋の向うに大きなお料理屋があるでしょう、あれが、清月楼といって、高山では第一等のお料理屋さんなんです」「そうか」「そうかじゃありません、高山にいて、清月さんを知らないようなボンクラでは、決して出世はできませんよ」「うむ――そんなことは、どうでもいいが、お前は清月楼の芸妓なのだな」「いいえ、清月さんの抱えではありません、これでも新前(しんまえ)の自前(じまえ)なのよ」「なら、お前の家はどこだ、こんなところに女の身で、醜態を曝(さら)していては、自分も危ないし、家のものも心配するだろう」「シュウタイって何でしょう、わたし、シュウタイなんていうものを曝しているか知ら、そんなものを持って来た覚えはないのよ」「何でもよろしいから、早く家へ帰るようにしなさい」「大きにお世話様……帰ろうと帰るまいと、こっちの勝手と言いたいがね、わたしだって酔興でこんなところに転がっているんじゃないのよ」「これが酔興でなくて、何だ」「いくら芸妓(げいしゃ)だって、お前さん、酔興で夜夜中(よるよなか)、こんなところに転がってる芸妓があるもんですか、これは言うに言われない切ないいりわけがあってのことよ、察して頂戴な」「困ったな」「全く困っちまったわ、どうすればいいんでしょう」「いいから、早くお帰りなさい」「どこへ帰るのです」「家へお帰りなさい」「家へ帰れるくらいなら、こんなところに転がっているものですか」「では、その清月とやらへ帰ったらいいだろう」「清月から逃げて帰ったんじゃありませんか」「何か悪いことをしたのか」「憚(はばか)りさま、悪いことなんぞして追い出されるようなわたしとは、わたしが違います、あのお代官の親爺(おやじ)に口説(くど)かれて、どうにもこうにもならないから、それで逃げ出して来たのを知らない?」六十三「なに、お代官がどうした」「知ってるくせに、そんなことをいまさら尋ねるなんて野暮(やぼ)らしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...例の清月とかなんとかへでも納まったのだろう――とりとめのない奴だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...清月へ行って訊ねると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...中味だけで間違いもなく四十貫はあるだろうよ」「その四十貫の小判をどうして持出したんでしょう? ――表門は昨日の暮れ酉刻(むつ)(六時)に閉めたきりだし」「?」「昨夜裏門を出た清月の女中や芸子は皆んな何んにも持っていなかったといいますよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こんな物を清月に持ち込めば...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...清月で天ぷらを食ひ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...今寄った清月からである...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
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