...一種清新な雰囲気(ふんゐき)を放散させてゐるやうであつた...
芥川龍之介 「秋」
...外遊中に蘊蓄醗酵した清新な情操を日本の文壇へ齎らした...
生田葵山 「永井荷風といふ男」
...それにかかわらず何とも名状の出来ぬ一種の清新な空気が画面に泛(ただよ)うている事は極端な頑固な人でない限りおそらく誰でも容易に観取する事が出来るだろう...
寺田寅彦 「津田青楓君の画と南画の芸術的価値」
...更に之れを清新なる晶形と為すの陶鋳力(クリスタリゼーシヨン)あり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...若々しい二つの身体の清新な愛は...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...この清新な門出の一歩に...
中里介山 「大菩薩峠」
...恋に必要な刺戟(しげき)の起る清新な感じが失われてしまうように考えています...
夏目漱石 「こころ」
...われ等が生き生きした清新な大根であることは怖るべきことなのである...
葉山嘉樹 「工場の窓より」
...運動場の周囲の青葉には清新な香の満ちてゐる風薫る頃でした...
牧野信一 「初夏」
...もう青葉の影には清新な風が薫るやうになりました...
牧野信一 「〔編輯余話〕」
...同時に清新な空気を吸い...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...一方ではS氏やK氏の作物が清新なる文學として持て囃されるやうになりだした...
正宗白鳥 「昔の西片町の人」
...こんなに柔軟で清新な芸術の世界で...
宮本百合子 「あられ笹」
...清新な芳香(におい)が...
夢野久作 「白菊」
...静かな諦念と笑顔を見せぬ一味の清新な憂鬱さが空気の中に漂っている...
横光利一 「欧洲紀行」
...二軍日月(じつげつ)のごとく戦場に入れ代って絶えず清新な士気を保って魏の大軍を砕かんとしたものである...
吉川英治 「三国志」
...かつて苦節をなめて来た清新な洋画家たちと...
吉川英治 「随筆 新平家」
...ただこの清新なる禅宗のみであった...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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