...その目的は青年たちの清新な空気にふれるためでもあったが...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...雲は山をめぐり、霧は谷をとざす、昼猶(なお)闇(くら)き杉の並木、羊腸の小径は苔滑(なめら)か、一夫関に当るや万夫も開くなし、天下に旅する剛毅の武夫(もののふ)、大刀腰に足駄がけ、八里の岩ね踏み鳴す、斯(か)くこそありしか往時の武夫」と言う長過ぎる歌で、文句はもう古臭い感じだが、この歌につき纒う一種、清新な感じは、この作曲が、鬼才滝廉太郎によって為されたからだろうと思う...
田中英光 「箱根の山」
...たしか浅井和田両画伯の合作であったかと思うがフランスのグレーの田舎へ絵をかきに行った日記のようなものなども実に清新な薫りの高い読物であった...
寺田寅彦 「明治三十二年頃」
...清新なる田園の小景...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...彼は清新な気分を味った...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...更に之れを清新なる晶形と爲すの陶鑄力(クリスタリゼーシヨン)あり...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...清新な空気のため薔薇(ばら)色になっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...顔には清新な色合があった...
豊島与志雄 「秦の出発」
...清新なる空気への爽やかな喜びは...
中井正一 「機構への挑戦」
...「ジエィン・エア」は、十九世紀の半ば(一八四七)に出版せられて、英吉利の讀書界に、清新な亢奮と、溌剌とした興味を植ゑつけた名篇である...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...清新な朝の香が部屋の隅々まで行きわたつてゐました...
牧野信一 「お父さんのお寝坊」
...あらゆる点で近代的の要素に恵まれた見るからに清新な明るいモダン娘で――久保の憧れに一致する女性型であつた...
牧野信一 「階段」
...一味清新なる文芸欄を作成してゐる...
牧野信一 「月評」
...彼の作家の頭上には不変一徹の清新な雲が虹をはらんで絶え間なく揺曳してゐるのだ...
牧野信一 「真夏の夜の夢」
...音調に泥(なず)みて清新なる趣味を欠ける和歌の到底俳句を利するに足らざりしや必せり...
正岡子規 「俳人蕪村」
...清新な藝術氣分が...
正宗白鳥 「語學修業」
...一方ではS氏やK氏の作物が清新なる文學として持て囃されるやうになりだした...
正宗白鳥 「昔の西片町の人」
...二軍日月(じつげつ)のごとく戦場に入れ代って絶えず清新な士気を保って魏の大軍を砕かんとしたものである...
吉川英治 「三国志」
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