...質素な椅子(いす)やテエブルの間に何か清らかな幸福が漂っているように見えるのです...
芥川龍之介 「河童」
...浅野さんのこの時の清らかな懺悔は永久に天国の記録に残るでしょう...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...盛夏八月既に秋冷を感ずる湯元の浴舍の座敷から眞青な夏草に被はれた前白根の清らかな色を眺めた時...
近松秋江 「箱根の山々」
...秋の月の清らかさとを正と負...
寺田寅彦 「連句雑俎」
...ほんとに清らかな輝いた玉なんだ...
豊島与志雄 「蠱惑」
...清らかで美しかった...
豊島与志雄 「春盲」
...これらの掘割を清らかにしたいものだ...
豊島与志雄 「蛸の如きもの」
...気高く清らかな大地の突端に...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...「人間はあんなにまでも美しく清らかに生きて行くことが出來るのだ...
「處女作の思ひ出」
...あの清らかな幽里子を...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...清らかで優しくてピアノが上手でかわいらしくて...
野村胡堂 「九つの鍵」
...二人の間に流れていたのは清らかな美しい友情であった...
武者金吉 「地震なまず」
...横にむぞうさになびけた髪が豊かで、清らかで、少しのもつれもなくつやつやとして美しい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...合掌した手首を白木綿で縛られている清らかな二の腕...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...清らかであつたことが今でもわかつた...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...ほんのちよろ/\とした小ながれにすぎぬが、水は清らかで、水邊には珠數草と螢草とが青々と茂つてゐる...
若山牧水 「樹木とその葉」
...丹と白との清らかな対照は重々しい屋根の色の下で...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
...人間の肉体を人間以上の神々しい清らかさにまで高めている...
和辻哲郎 「偶像崇拝の心理」
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