...辺に添うてくるりと藁を内に畳み込む...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...」と、相傘するまで、つと寄添う...
泉鏡花 「薄紅梅」
...崖(がけ)に添うて...
泉鏡花 「海異記」
...ホーテンス記者と水戸記者はワーナー博士のすぐ後ろにぴったり寄り添うようにして歩いている...
海野十三 「地球発狂事件」
...世話方数名附添うて...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...どこまで行くんでございます」「黙って拙者の行くところまで行けばよい」駕籠側(わき)に一人が附添うて無暗(むやみ)に走り出しました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その後ろに引添うようにして...
中里介山 「大菩薩峠」
...まだ大膳正の望に添うほどの優物は無く...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...その影身に添うようにウロウロすることが...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...彼女の趣味から来る風情(ふぜい)が添うが――わしが...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...何より先に私が身の自墮落(じだらく)を承知して居て下され、もとより箱入りの生娘ならねば少しは察しても居て下さろうが、口奇麗な事はいひますとも此あたりの人に泥の中の蓮とやら、惡業(わるさ)に染まらぬ女子があらば、繁昌どころか見に來る人もあるまじ、貴君は別物、私が處へ來る人とて大底はそれと思しめせ、これでも折ふしは世間さま並の事を思ふて恥かしい事つらい事情ない事とも思はれるも寧(いつそ)九尺二間でも極まつた良人といふに添うて身を固めようと考へる事もござんすけれど、夫れが私は出來ませぬ、夫れかと言つて來るほどのお人に無愛想もなりがたく、可愛いの、いとしいの、見初ましたのと出鱈目のお世辭をも言はねばならず、數の中には眞にうけて此樣な厄種(やくざ)を女房にと言ふて下さる方もある、持たれたら嬉しいか、添うたら本望か、夫れが私は分りませぬ、そも/\の最初(はじめ)から私は貴君が好きで好きで、一日お目にかゝらねば戀しいほどなれど、奧樣にと言ふて下されたら何うでござんしよか、持たれるは嫌なり他處ながらは慕はしゝ、一ト口に言はれたら浮氣者でござんせう、あゝ此樣な浮氣者には誰れがしたと思召、三代傳はつての出來そこね、親父が一生もかなしい事でござんしたとてほろりとするに、其親父さむはと問ひかけられて、親父は職人、祖父は四角な字をば讀んだ人でござんす、つまりは私のやうな氣違ひで、世に益のない反古紙をこしらへしに、版をばお上から止められたとやら、ゆるされぬとかに斷食して死んださうに御座んす、十六の年から思ふ事があつて、生れも賤しい身であつたれど一念に修業して六十にあまるまで仕出來したる事なく、終は人の物笑ひに今では名を知る人もなしとて父が常住歎いたを子供の頃より聞知つて居りました、私の父といふは三つの歳に椽から落て片足あやしき風になりたれば人中に立まじるも嫌やとて居職に飾の金物をこしらへましたれど、氣位たかくて人愛のなければ贔負にしてくれる人もなく、あゝ私が覺えて七つの年の冬でござんした、寒中親子三人ながら古裕衣(ふるゆかた)で、父は寒いも知らぬか柱に寄つて細工物に工夫をこらすに、母は欠けた一つ竈(べツつひ)に破(わ)れ鍋かけて私に去る物を買ひに行けといふ、味噌こし下げて端たのお錢(あし)を手に握つて米屋の門までは嬉しく驅けつけたれど、歸りには寒さの身にしみて手も足も龜(かじ)かみたれば五六軒隔てし溝板の上の氷にすべり、足溜りなく轉(こ)ける機會(はずみ)に手の物を取落して、一枚はづれし溝板のひまよりざら/\と飜(こぼ)れ入れば、下は行水きたなき溝泥なり、幾度も覗いては見たれど是れをば何として拾はれませう、其時私は七つであつたれど家の内の樣子、父母の心をも知れてあるにお米は途中で落しましたと空の味噌こしさげて家には歸られず、立てしばらく泣いて居たれど何うしたと問ふて呉れる人もなく、聞いたからとて買てやらうと言ふ人は猶更なし、あの時近處に川なり池なりあらうなら私は定し身を投げて仕舞ひましたろ、話しは誠の百分一、私は其頃から氣が狂つたのでござんす、皈りの遲きを母の親案じて尋ねに來てくれたをば時機(しほ)に家へは戻つたれど、母も物いはず父親も無言に、誰れ一人私をば叱る物もなく、家の内森として折々溜息の聲のもれるに私は身を切られるより情なく、今日は一日斷食にせうと父の一言いひ出すまでは忍んで息をつくやうで御座んした...
樋口一葉 「にごりえ」
...美しい娘は彼の傍らに寄り添うて...
牧野信一 「彼に就いての挿話」
...家に近づく――からたちの垣根に添うて行くと門口に標札が立つてゐる...
牧野信一 「サンニー・サイド・ハウス」
...豊麗な劇場内の一つの側壁に添うて...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「餓えた人々(習作)」
...天主教の弁護士の守本尊イーヴ尊者像に猫像を添うるもそんな事に起ると惟う(一五六六年板アンリ・エチアンヌの『エロドト解嘲』一)...
南方熊楠 「十二支考」
...連れ添うては来たが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...お千絵様の蔭身(かげみ)に添う万吉という者だ」ふところの十手をつかんで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...尾を振りながらぴつたり三疋引き添うてこちらを見て立つてゐる...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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