...常々添寢した男から東京行の錢別を貰つたと思ふと...
石川啄木 「天鵞絨」
...妻は相變らず亡き人の足のあたりへ顏を添へて打伏してゐる...
伊藤左千夫 「奈々子」
...「お薬のせいですよ」付添婦はふつうの声で言った...
梅崎春生 「幻化」
...萩などが黄紫とりどりの色彩を添へる...
近松秋江 「箱根の山々」
...彼女も庸三の口添えで...
徳田秋声 「仮装人物」
...用件の次につまらないことを長々と書添えた...
豊島与志雄 「金魚」
...お房四谷より君花と名乗りて再び左褄取ることになりしとて菓子折に手紙を添へ使の者に持たせ越したり...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...門の中(うち)に入るまで娘は絶えず身のまはりに気をくばりてゐたりしが初めて心おちつきたるさまになりてひしとわが身に寄添ひて手をとり...
永井荷風 「葡萄棚」
...私の方へ送ってくれと書き添えてあった...
中谷宇吉郎 「鳥井さんのことなど」
...添寢の床から亭主を引つこ拔かれたといふのですから...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...芳子は父と一緒だから大丈夫だと思って父の方へ寄添はうとした...
原民喜 「稲妻」
...そして男ならば成るべく深刻気な苦味を添へて――...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...卵を添えたビイフステエク...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「衣裳戸棚」
...みな現実のうちから作者としての生活的実感を添えて切りとられて来ている断片である...
宮本百合子 「解説(『風知草』)」
...私は十年近く舟木に連れ添っています...
三好十郎 「冒した者」
...直ぐ後からかい添え併せて目付けのため...
三好十郎 「斬られの仙太」
...後添えだった寿女の母親は...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...太鼓を打って勢いを添えた...
吉川英治 「三国志」
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