...「なんだか話が混雑したようだけれども...
有島武郎 「或る女」
...其声は渠の混雑した心に異様に響いて...
石川啄木 「病院の窓」
...自分に似合っても似合わなくても女という女が皆、二百三高地が流行(はや)れば二百三高地、七三が流行れば七三と、長い顔の人も円い顔の人も、痩せた丈の高い人も肥った背の低い人も、一様な風をするものですから其処に少しも調和のとれない、混雑した、落着かない好もしからぬ風俗が出来上るのだと思います...
上村松園 「朝顔日記の深雪と淀君」
...祝宴の混雑した物音が伝わってきた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...欺かれた夫の顔を見る時の恐怖と勝利との混雑した感情も推察される...
永井荷風 「来訪者」
...その邸内がこんなに混雑したのみならず...
中里介山 「大菩薩峠」
...混雑した川蒸気の中...
野村胡堂 「悪人の娘」
...シルバデール令夫人は気乗りせず混雑した部屋を進み...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...日本のヤマアイと間違って混雑した記事をよく見る...
牧野富太郎 「植物記」
...ただ混雑したつぶやき声...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「ウスナの家」
...その手紙といふ者は恐らくは片仮名平仮名羅馬(ローマ)字などのごたごたと混雑した者でとても今日の我々には読めぬやうな書きやうであらうと思はれる...
正岡子規 「墨汁一滴」
...いずれも混雑したる体なり云々...
南方熊楠 「十二支考」
...どんな記念賞の晴れ役にもならず混雑した室の小さい机に向って地味に民衆のために働いているのである...
宮本百合子 「行為の価値」
...屏風(びょうぶ)なども皆畳んであって混雑した室内へはなやかな秋の日ざしがはいった所に...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...私は振り落されそうな混雑した汽車に乗り鶴岡の街まで出て行くのだ...
横光利一 「夜の靴」
...この混雑した闘争のさ中をきり脱けることが出来なかった...
横光利一 「旅愁」
...ともすると葬式と結婚とが一時に襲って来たような混雑した気持ちを感じ...
横光利一 「旅愁」
...混雑した人中に羞しく身を没するようにして...
横光利一 「旅愁」
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