...そして男の持つた違つた世界を見た彼女はとりつく島もないやうな絶望の淵に沈んで行つた...
伊藤野枝 「惑ひ」
...謂わばおそろしい魔の淵(ふち)にするすると吸い寄せられるように...
太宰治 「ヴィヨンの妻」
...」その深い淵からくる一種の眩暈みたいなものに...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...彼の心は急に暗い淵の中につき落された...
豊島与志雄 「蘇生」
......
逸見猶吉 「逸見猶吉詩集」
...しかし文部省は文教の府だけに済々たる学者の淵藪(えんそう)でもあれば...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...真淵、景樹、諸平、文雄輩に比すれば彼は鶏群の孤鶴(こかく)なり...
正岡子規 「曙覧の歌」
...東洋には『淵鑑類函』四三六に...
南方熊楠 「十二支考」
...私は! な! 人は情の淵に住む...
三好十郎 「好日」
...延享中に淡淵は年四十に垂(なんなん)として芋生から名古屋に遷つた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...袋町のお初の家へ馬淵の爺さんはここ数日姿をみせない...
矢田津世子 「神楽坂」
...土淵村と昔は橋野(はしの)といいし栗橋村との境にて...
柳田国男 「遠野物語」
...事件の淵源(えんげん)を考証したり解剖してみせたりするのである...
山本周五郎 「長屋天一坊」
...淵は今「みづすまし」の美くしい命の「渦巻つなぎ」に満ち、この芸術家的な虫の支配のもとに、見るは唯だメロデイの淵、恍惚の淵、青い淵...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...夏侯淵(かこうえん)...
吉川英治 「三国志」
...鰐淵寺(わにぶちでら)の寺船(てらぶね)が着いておるぞ」と...
吉川英治 「私本太平記」
...覚淵御房におはからい申してみたところ...
吉川英治 「源頼朝」
...あの深淵(しんえん)のように凝止(ぎょうし)している生の美しさが...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
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