...婢は悲鳴をあげて隣家の曲淵方(まがりぶちかた)へ駈け込むなり...
田中貢太郎 「簪につけた短冊」
...淵の底へもぐって行って...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...私にはただたわいもなく哀れっぽく悲しくって何か深い淵(ふち)の底にでも滅入(めい)りこんでゆくようで耐(こら)え性(しょう)も何もなかった...
近松秋江 「うつり香」
...滄溟の淵よりかられ...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...遠く淵源はここにあるかと云われる...
中井正一 「言語は生きている」
...または真淵(まぶち)の鷲(わし)の嵐(あらし)...
正岡子規 「俳諧大要」
...砂(すな)っぱの上や淵(ふち)を...
宮沢賢治 「さいかち淵」
...紫のゆゑに心をしめたれば淵(ふち)に身投げんことや惜しけきとお言いになってから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...二年に淡淵が四十四歳で歿して...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...これは文淵堂所蔵の花天月地(くわてんげつち)中に収められてゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...滝があり瀬があり淵(ふち)がある...
山本周五郎 「おれの女房」
...堕落の淵に落ち込むべく余儀なくしてしまった...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...お祖父(ぢい)さんのお祖父さんが此淵(ここ)へ沈んだ時は三日たつても死骸が上らず...
横瀬夜雨 「筑波ねのほとり」
...わが叔父の夏侯淵が大軍を率いて陣取り...
吉川英治 「三国志」
...魏の兵は乱れて逃げ帰り、夏侯淵に、「大将夏侯尚どの、敵の擒(とりこ)になられました」と報告した...
吉川英治 「三国志」
...根は百龍のごとく淵(ふち)に蟠(わだかま)っている...
吉川英治 「三国志」
...北の陸上に広がる世界では恐怖のミ=ゴがいまだに脅威となっているのだろうか? 光も測鉛も届かぬ地球最奥の深淵に今日まで生き永らえているものがあるとしたらそれは何か...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...入江といふより大きな淵か池である...
若山牧水 「梅雨紀行」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??