...『なかなかに己が舟出の旅しもぞ昨日の淵を瀬とも知りぬる』この歌の心をお解し下さりませ...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...維新は、水戸義公の大日本史編纂(へんさん)をはじめ、契沖(けいちゅう)、春満(あずままろ)、真淵(まぶち)、宣長(のりなが)、篤胤(あつたね)、または日本外史の山陽(さんよう)など、一群の著述家の精神的な啓蒙によって口火を切られたのです...
太宰治 「惜別」
...深奥な淵に面した方面...
田山録弥 「小説新論」
...漱石さんが深淵の学識と非凡の天才とを兼ねた文豪であり...
土井晩翠 「漱石さんのロンドンにおけるエピソード」
...深淵(しんえん)の中に没してしまったのだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...深淵(しんえん)の上にぶらさがって...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...唯太子は此の主義を實行するに至らずして早世し給ひ、後に三十年程を經て大化の時に主として天智天皇が之を實行せられたので、其の功績は孝徳天智の兩天皇に歸すべきであるけれども、兩天皇の改革は聖徳太子の宏遠な理想規模に據つたことは疑の無いことで、之は單に其の主義から謂ふばかりでなく、大化革新の主なる參謀であつた人々、南淵請安、高向玄理、僧旻など謂ふ人々は、皆聖徳太子が妹子につけて隋に遣はした留學生である...
内藤湖南 「聖徳太子」
......
内藤鳴雪 「鳴雪句集」
...大まかに経済学とはいっても、伊太夫のは、佐藤信淵や、河村瑞軒(ずいけん)あたりから得ている経済学ではなく、わが藤原家の祖先伝来の財産というものから割出している経済学なのですから、この私有財産あってこその経済学で、その私有財産を基礎としないことには、経済も、倫理も、道徳も、学問も、芸術も、総てが消失してしまうのです...
中里介山 「大菩薩峠」
...わたくしはこれらの魔法の糸によって不可知の深淵につながれたまま...
西尾正 「墓場」
...この罪悪の淵(ふち)から脱け出そうとする良心を持ったのは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...……隅田川で、都鳥で、……そこで、千鳥ガ淵よ」「でも、千鳥ガ淵で、女たちが呉絽を織らされているだろうというのは?」「お前、比丘尼の手を見たか」「手がどうかなっていましたか」「手に筬胼胝(おさだこ)ができている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...湖底が稚児※淵につづいているもんだから...
久生十蘭 「肌色の月」
...レミュはいよいよ深まる不幸の淵をのぞきみ...
久生十蘭 「淪落の皇女の覚書」
...或時(あるとき)麹町(こうじまち)の曲淵の本邸の庭にのぞんだ座敷に...
水上滝太郎 「九月一日」
...いつでも梭の音がこの淵の方からきこえるといいました...
柳田國男 「日本の伝説」
...底無しの深淵(ふち)を...
夢野久作 「瓶詰地獄」
...淵辺はボロと涙をこぼした...
吉川英治 「私本太平記」
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