...―――人形の深雪(みゆき)と駒沢(こまざわ)とが屋形船の中でささやきを交す情景を知っているだけで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「さあ、手前共から、お出ましになって、何処へいらっしゃいましたか」と、富士春が云った時「へえ、そうかい、お嬢さんが――」庄吉は、源公へこう云って、深雪の方を見た...
直木三十五 「南国太平記」
...「短刀でげしょう」深雪の眼も...
直木三十五 「南国太平記」
...「約束でないか、深雪」「いいえ、いいえ――」深雪は、右手を握られて、左肩を抱きすくめられて、小藤次の胸のところで、髪を乱すまい、顔を、肌を触れまいと、身体を反らしていた...
直木三十五 「南国太平記」
...よろめいて立上りながら「広縁で」深雪は...
直木三十五 「南国太平記」
...深雪の近くで「悪魔退散...
直木三十五 「南国太平記」
...深雪は、その父の手にでも、着物にでも、縋りたいような気が、全身に充ちて来ると同時に「お父様っ」と、叫んだ...
直木三十五 「南国太平記」
...「お許し下されませ」深雪は...
直木三十五 「南国太平記」
...二三人の女中が、蒼白になりながらも、深雪を、後方から抱きすくめるのと、調所が、深雪の手から、懐剣をもぎとるのと、同時であった...
直木三十五 「南国太平記」
...やいっ、深雪、このまま逃げりゃあ、お尋ね者の益満と一緒に、ただじゃ置かねえぞ...
直木三十五 「南国太平記」
...ところで、若旦那、すっかり、旅の陽焼けがとれて、いい男っ振りに、又、戻りましたねえ」小太郎は、微笑して「深雪、身体を拭きたいが」「では、お風呂へ」「いや、相談事があるし、取急ぐから」深雪が、井戸端へ、立って行った...
直木三十五 「南国太平記」
...きめなすったかえ?」「ええ」深雪は...
直木三十五 「南国太平記」
...(あいつの、懐中物を――)小太郎と、深雪とが、日数の定まらぬ旅へ立つ路銀に、物を売るのを見て、庄吉は、決心した...
直木三十五 「南国太平記」
...深雪が「兄を呼ばぬよう」月丸の腕の中でもがきながら...
直木三十五 「南国太平記」
...深雪は、半分身体を起して、短刀を持ったまま、片手を地について、肩で呼吸をしていた...
直木三十五 「南国太平記」
...深雪は、古びた土瓶の中へ、薬草を入れて、松の小枝と、松葉の枯れたのを、炉で焚いて、煮出していた...
直木三十五 「南国太平記」
...深雪は、煎じた薬を、布でこして、湯呑へ入れた...
直木三十五 「南国太平記」
...も一つ云はせて貰ふなら魚眠洞随筆のゴリ料理をたべさせる家の軒端をドサリツと滑つて落ちる夜の深雪の音であらう...
正岡容 「下町歳事記」
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