...乙姫の深刻な復讐...
太宰治 「お伽草紙」
...五 泉童話的な「紅雀(べにすずめ)」に対照すると「泉」は比較にならぬほど複雑で深刻な事件とその心理とを題材として取扱っているから...
寺田寅彦 「映画雑感6[#「6」はローマ数字、1-13-26]」
...それにもかかわらずそれを見る人の心は遠い昔に起こったある何かしらかなり深刻な事件のかすかな反響のようなものを感ずる...
寺田寅彦 「田園雑感」
...日本の文化に於て問題になるようなああいう深刻な対立ではない筈である...
戸坂潤 「日本文化の特殊性」
...人間性の深刻なる悲劇は存する...
波多野精一 「時と永遠」
...脳細胞をしびらせるような深刻なものを一番に要求する...
平林初之輔 「伊豆の国にて」
...一そう深刻なものとしてあらわれていた...
本庄陸男 「石狩川」
...城内に深刻な発展を試みようと努力しているのではないか――その手つきを失ったら――「まさか...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...深刻な失業の問題が私たちをおびやかしていてその対象は先ず婦人青年です...
宮本百合子 「朝の話」
...科学文明で煎じ詰められた深刻な享楽主義をとても理解し得ない...
夢野久作 「東京人の堕落時代」
...芸術家らしい変態心理の深刻なものの色々が異分子として含まれているのを...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...人間の智慧が進むに連れて……又は社会機構が、複雑過敏になって来るに連れて、こんな恐ろしい犯罪心理が、有触(ありふ)れたものと成って来るに、きまっているんだから……よろしいか……」「……………」「……この調査書が如何に恐るべきものであるか……この調査書類の中に含まれている犯罪の隠蔽心理と自白心理の二つが、如何に深刻な、眩惑的な、水も洩らさぬ魔力をもって吾輩に、この罪を引受るべく迫って来たか……という理由を、これから説明するから……」私は、私の全身の筋肉が、みるみる冷え固って行くのを感じた...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...余りに深刻な経験でありすぎた...
吉川英治 「新書太閤記」
...深刻な悔いを面(おもて)にたたえながら担架のあとから悄然と従(つ)いて行ったのは...
吉川英治 「日本名婦伝」
...頭にふかく抉(えぐ)りこまれた深刻な観念が...
吉川英治 「日本名婦伝」
...最も深刻な故意と用意をもって...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
...つい深刻な場面を...
吉川英治 「忘れ残りの記」
...信仰上の敵対関係はこの争闘を極めて深刻ならしめるであろう...
和辻哲郎 「鎖国」
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