...後年ワグネル及び其徒と背き去つた事が如何に深刻なる「別れの時」の悲哀を彼の腦裡に刻み込んだかは今更繰返す迄もないことである...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...最近の且(か)つ最も深刻な印象に相違ないのだから...
江戸川乱歩 「心理試験」
...深刻なる苦痛の印象を止(とど)めた全人類の胸底にはもはや至心の悔改あるべく...
大隈重信 「永久平和の先決問題」
...おれにとっての深刻な経験も...
豊島与志雄 「花ふぶき」
...常住不断に深刻な顔をでもせよというのか...
豊島与志雄 「風俗時評」
...とても背負い切れそうもない……」歌姫の顔に刻まれた深刻な悩みが...
野村胡堂 「焔の中に歌う」
...深刻な状態から助けてくれとお願いされました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...それらはかれの抵抗――深刻な精神的な抵抗を...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...深刻な、いやな微笑であった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...刻一刻と私に呼びかけているのではないか……というような深刻な疑問が私の頭の中一ぱいに渦巻いて...
夢野久作 「暗黒公使」
...これに対する深刻な復讐の準備を整えていた...
夢野久作 「超人鬚野博士」
...まだ誰も知らない深刻な事実を白状するに違いないと思われるくらいスゴイ筋なんですからね……自慢じゃありませんけど……ホホホ……」彼女はスッカリ昂奮しているらしかった...
夢野久作 「二重心臓」
...その青年は深刻な左傾運動に関係して外国に放逐されたとの事で私は余りの事に茫然となった事でした...
夢野久作 「能とは何か」
...さういふ深刻な國民的體驗を經てきたおかげで必然的に...
吉川英治 「折々の記」
...また驚愕(きょうがく)のうちにこもっている深刻な悔いでもあった...
吉川英治 「黒田如水」
...軽薄な美人や貴公子たちの想像も及ばないほど深刻な...
吉川英治 「新書太閤記」
...うけた無念は深刻なものだ...
吉川英治 「八寒道中」
...十七世紀の初めにはますます深刻な影響を現わしていた...
和辻哲郎 「鎖国」
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