...驚きながらもさてはまた投身の者と間違えられしならんと思えば「御深切忝(かたじ)けなし...
饗庭篁村 「良夜」
...赤帽君(あかばうくん)は深切(しんせつ)であつた...
泉鏡太郎 「雨ふり」
...何やらん仔細あるべしと、泰助は深切に、「それはどういう次第だね...
泉鏡花 「活人形」
...越野氏――あの火事の時に深切に手伝って呉れた越野氏が...
江戸川乱歩 「恐ろしき錯誤」
...そしてあらかじめ考えた深切心(しんせつしん)をもって善をおこないなさい...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...人の深切をさへ、あなたたちは素直に受取る事を知らないんだからなあ...
太宰治 「お伽草紙」
...たゞ町名標だけは間違ひなく深切だつたが...
種田山頭火 「行乞記」
...一歩々々がルンペンの悲哀だつた、一念々々が生存の憂欝だつた、熊本から川尻へ、川尻からまた熊本へ、逓信局から街はづれへ、街はづれから街中へ、そして元寛居であたゝかいものをよばれながらあたゝかい話をする、私のパンフレツト三八九、私の庵の三八九舎もだん/\具体化してきた、元坊の深切、和尚さんの深切に感謝する、義庵老師が最初の申込者だつた!寒くなつた、冬らしいお天気となつた、風、雪、そして貧!十二月廿三日曇、晴、熊本をさまよふてSの家で、仮寝の枕!けふも歩きまはつた、寝床、寝床、よき睡眠の前によき寝床がなければならない、歩いても/\探しても/\寝床が見つからない、夕方、茂森さんを訪ねたら出張で不在、詮方なしに、苦しまぎれに、すまないと思ひながらSの家で泊る...
種田山頭火 「行乞記」
...ほん深切にしてくりゃはりますよって」「二...
近松秋江 「狂乱」
...深切な住職を脅かしかつ怒らした事を知って...
小泉八雲 Lafcadio Hearn 戸川明三訳 「耳無芳一の話」
...是非にもお供せねばという門人たちの深切(しんせつ)をも無理に断り...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...誰もが老人夫婦の善良さ深切さを口々にたたへるのだつた...
南部修太郎 「死の接吻」
...こんなに深切にされるとは想像もしたことはなかつたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...五円やつたからでもないでせうけれども、大変深切でした...
林芙美子 「シベリヤの三等列車」
...独立の気力なき者は不深切なること推して知るべきなり...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...アア深切なものだ...
正岡子規 「墓」
...私にも深切な姉があった...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...そしてそれ等の作品をよりよく現はす爲にその各々に附された解説は深切で...
安井曾太郎 「西洋美術館めぐり」
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