...今より数等深みのある小説が生まれるならん...
芥川龍之介 「雑筆」
...地の下から鈍い深みのある音が聞えました...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...ずっと優雅な味のある深みのある...
上村松園 「浮世絵画家の肉筆」
...芭蕉の心の奥に立ち入った深みのある解釈だと考えます...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...然し深みのあるどつしりとした業績を擧げると云ふ點から見れば頗る物足らぬ恨みが無いとは言へぬ...
橘樸 「支那を識るの途」
...哀愁を湛(たた)えられた沈思の眸(まなざし)と薄小麦色に蒼白さを交えた深みのある肌膚(きめ)の艶(あで)やかさとは...
橘外男 「ナリン殿下への回想」
...朱泥のように深みのある...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...私は或る茶会に呼ばれて味噌汁を出されたことがあったが、いつもは何でもなくたべていたあのどろ/\の赤土色をした汁が、覚束ない蝋燭のあかりの下で、黒うるしの椀に澱んでいるのを見ると、実に深みのある、うまそうな色をしているのであった...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...前掲(ぜんけい)の老芸人の話では春琴の三味線を蔭で聞いていると音締(ねじめ)が冴(さ)えていて男が弾いているように思えた音色も単に美しいのみではなくて変化に富み時には沈痛(ちんつう)な深みのある音を出したといういかさま女子には珍しい妙手であったらしい...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...思想的に深みのある...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...荘重なる音色、これが箏かと思われるほど、他の流とは異なる大きやかな、深みのある、そして幅広い弾奏だった...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...黒曜(こくよう)石のようなどっしりとした深みのある光沢を持っていた...
久生十蘭 「地底獣国」
...深みのある黒い大きな眼のうえで...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...先生が深みのあるしはがれた聲で徐かに一人で譯讀せられてゆくのを私達はただ茫然として聽いてゐた...
堀辰雄 「二三の追憶」
...遙に深みのある作品である...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...母の女御よりも静かで深みのあることは少しまさっているのをお知りになって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...深みのあるために浮く粗朶の間に一杯の鯉が見え隱れしてゐた...
室生犀星 「京洛日記」
...深みのある鉄色(かねいろ)の烈しさと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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