...細く深く穴は雪のなかにつづいていて...
高見順 「いやな感じ」
...霧は愈(いよいよ)深くなり...
竹久夢二 「おさなき燈台守」
...昔の大路(たいろ)には荊棘(けいきよく)深く茂りて...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...世間では深くそのことを考えず...
津田左右吉 「建国の事情と万世一系の思想」
...ある時は其面に紅葉を泛(うか)べ或時は底深く日影金糸を垂(た)るゝ山川の明るい淵(ふち)の練(ね)った様な緑玉(エメラルド)...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...併しながらカントは注意深くも...
戸坂潤 「エマヌエル・カント『自然哲学原理』解説」
...だれかに聞かれやすまいかと用心深くあたりを見回すのであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その故は何かというに『鶉衣』の思想文章ほど複雑にして蘊蓄(うんちく)深く典故(てんこ)によるもの多きはない...
永井荷風 「雨瀟瀟」
...もっともっと深くつきとめねばならない気がしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...遠く周の時代から漢民族の中に深く根ざした思想である...
中谷宇吉郎 「古代東洋への郷愁」
...どんなに企みが深くても...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...要心深く戦争の批判を避けるのであつたが...
原民喜 「壊滅の序曲」
...我々と馴染み深くなつてゐる事物は...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「ドゥイノ悲歌」
...次第に敬意に近いもので友吉を注意深く見守りながら)あなた...
三好十郎 「その人を知らず」
...お情深くおなり遊ばした...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...この奥の院をなほ奥深くどこまでも行くと...
横光利一 「琵琶湖」
...深くかれの心理に立ち入ることができない...
吉川英治 「江戸三国志」
...ズンと、刀だけ、岩へ深く、斜めに立ってしまった...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索