...大きな亀甲模様の床、深々とした椅子、その大広間にも菊の鉢がずらりと並んでいた...
上村松園 「中支遊記」
...名ばかりは天鵞絨(びろうど)のウィーン帽子を深々と被り...
海野十三 「深夜の市長」
...深々とした暁の眠りのうちにあった...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...深々と湛えたミルク色の海...
豊島与志雄 「エスキス」
...深々たる真夜中、私はふと眼がさめた、と思ったのは誤りで、欄間には明るい光がさしている...
豊島与志雄 「怪異に嫌わる」
...ちっとも瞬きをしない深々とした眼差です...
豊島与志雄 「白い朝」
...深い陰がいつもより一層深々と宿っている...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...深々と扉を引いて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...酒と花合せに夢中で新吉は小用にも立たないと解つて居るんだ」「――」深々と腕を組んだ平次を前に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...海老錠(えびじょう)は鍵がなくったっておろせるんだ」平次は深々と考え込みました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そんなはずはない」平次もそれにつれて深々と腕を拱(こまぬ)きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...深々と首を垂れたのは下男の猪之吉といふのでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深々と悲しみに閉され...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...右の首筋を深々とゑぐつたもので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...夢のやうに深々とした狩に適した森があり...
牧野信一 「歌へる日まで」
...土を掘りのけて深々と砂が盛られてゐた...
牧野信一 「海棠の家」
...夜がふけて、深々と、大気の冷澄(れいちょう)がすべて刃(やいば)のように冴えてくると範宴は、ふたたび、ぱたっと、昏倒してしまった...
吉川英治 「親鸞」
...恐らく深々とあたりの山腹に動いているであろう朝靄の真白さ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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