...老松が石垣のうえから深々と枝を垂らしている濠端までくると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...緑色の窓掛(カーテン)を深々と垂らして...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...真っ暗な夜は深々とふけわたって...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...または深々と青さを増して行くころの...
徳田秋声 「仮装人物」
...暗くして恐らく深々と見えた対象は次第に覆いを取り去られ...
戸坂潤 「科学方法論」
...満潮の折には水が深々と寂寥を湛える...
豊島与志雄 「幻覚記」
...深々と扉を引いて...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...少し前屈みになつた又左衞門の二の腕へ深々と突つ立つたのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...誰だと思ひなさるんだ」「――」六兵衞は深々とうな垂れました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――下手人はこれから搜すんだが」平次は深々と腕を組みました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...何やら深々と考へ込んでしまひました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...親分」「最初からやり直しだよ」平次は深々と腕をこまぬくのでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...傷は右の首筋――頸動脈(けいどうみやく)から喉笛を深々と切つたもので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...刺身庖丁(さしみばうちやう)で首筋を深々と刺され...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「命は取らぬが、その方の着物が入用なのだ、暫らく借りるぞ」武装を脱ぎ捨てた欽之丞は、芳年の袷(あわせ)を着流し、脇差だけ一本、深々と懐に呑み、幸い道端の水溜りで、ザッと手足や顔の血潮を拭き取りました...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...それこそ深々とした毛皮か...
牧野信一 「痴日」
...この一彫刻のためになおも深々と迫る想いです...
柳宗悦 「民藝四十年」
...あまり深々と立入って見ようとする人の無かったことは幸いでもあった...
柳田国男 「木綿以前の事」
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