...老松が石垣のうえから深々と枝を垂らしている濠端までくると...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...深々と澄んでる鏡の面に...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...瞳の光りと眼尻の皺のなかに深々と湛えていました...
豊島与志雄 「未亡人」
...ただ悲しい心になって気が深々と滅入(めい)るようでしたから...
中里介山 「大菩薩峠」
...深々と埋まって居る千種十次郎の耳の傍へ来て...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...新しい夜の物を深々とかつぎました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...紺暖簾(こんのれん)を深々と掛け連ねて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...斜め一文字に深々と口を開いて...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...酒と花合せに夢中で新吉は小用にも立たないと解つて居るんだ」「――」深々と腕を組んだ平次を前に...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...中山半七郎とは大変な違いだ」平次は相変らず深々と考え込んでおります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...そんなはずはない」平次もそれにつれて深々と腕を拱(こまぬ)きます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...思ひの外深々とした構(かまへ)で...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深々とメリ込んだ梯子の足跡が二つ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...肩胛骨(かひがらぼね)の下を深々とゑぐられたもので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...深々と長欄(なげし)に斬り込んでしまいました...
野村胡堂 「百唇の譜」
...「命は取らぬが、その方の着物が入用なのだ、暫らく借りるぞ」武装を脱ぎ捨てた欽之丞は、芳年の袷(あわせ)を着流し、脇差だけ一本、深々と懐に呑み、幸い道端の水溜りで、ザッと手足や顔の血潮を拭き取りました...
野村胡堂 「芳年写生帖」
...八月二十一日(金曜)十一時迄深々と眠った...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...なお深々とぼくを抱きかかえ...
吉川英治 「忘れ残りの記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??