...先天的に男というものを知りぬいてその心を試みようとする淫婦(いんぷ)の目とも見られない事はなかった...
有島武郎 「或る女」
...いずくんぞ知らん馬琴は忠臣孝子よりは悪漢淫婦を描くにヨリ以上の老熟を示しておる...
内田魯庵 「八犬伝談余」
...娘自身生れつきの淫婦でなくては...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...「見ろ! 見ろ! 顔を挙げて見ろ! 大嘘吐きの大淫婦のメッサリイノ伯爵夫人! 伯爵トロエス・アピエラド夫人! 見れるものなら顔を挙げて俺の顔を見ろ! 貴方の誤解もクソもあるものか! この歴然たる事実の前に何の弁解の言葉がある! 言えるものなら言ってみろ! みろ! このブザマな醜態を! これが伯爵夫人の恰好か!」しかし妻は両手で顔を隠して身を悶えていた...
橘外男 「陰獣トリステサ」
...淫婦を白状さすには...
田中貢太郎 「悪僧」
...ソコガ淫婦ノ淫婦タル所以(ゆえん)デアルヲ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...(夫は私を世にも稀なる淫婦であるように云うけれども...
谷崎潤一郎 「鍵」
...そう云う風に考えたら貞女も淫婦(いんぷ)も悲しくないなんて女はないさ」ひとしきり孰方(どっち)も黙り込んで鍋の物を突ッついていた...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...それは私が刺し殺しても飽き足りないほど憎い憎い淫婦の相で...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...あの汚らわしい淫婦(いんぷ)のナオミ...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...163 淫婦の邪戀の物語...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...よくかの乳房赤く肉逞(たくま)しき淫婦を愛したれ...
永井荷風 「浮世絵の鑑賞」
...男たらしの淫婦じゃてのう」「親玉のお手がついてからでもか」「うむうむ...
中里介山 「大菩薩峠」
...お蘭どのという淫婦の御機嫌を取るために...
中里介山 「大菩薩峠」
...淫婦刺殺といふ折角の義擧も臆病な莫迦者の裏切によつて失敗したと...
中島敦 「盈虚」
...男を喘(あえ)がせて男の精を喰べ尽さねば止まぬ淫婦の本然を狂い咲きに開かせてきたすがたである...
吉川英治 「新・水滸伝」
...毒婦、淫婦、妖婦、どう言っても言い足らねえや...
吉川英治 「新・水滸伝」
...然ルニ賄賂(ワイロ)ニ毒セラレタル官コレヲ捕エテ却(カエ)ッテ淫婦奸夫ヲ殺サズ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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