...遠方から淪落(りんらく)の痴漢の暗き行末を...
W・S・モーゼス William Stainton Moses 浅野和三郎訳 「霊訓」
...醒めてこの怖るべき形相(ぎやうさう)は消え淪(ほろ)びなん...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...それに比して義(ただ)しき者の悲境に沈淪(ちんりん)せるは何の故ぞと...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...嘗ての原始的状態に沈淪した蒙昧な蛮族の居住地に教化の御光を与へ...
太宰治 「津軽」
...一時は非常に逆境に沈淪(ちんりん)して...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...進歩黨が久しく逆境に沈淪したるは...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...江湖淪落(ごうこりんらく)の詩人ならざるもまた多少の感慨なきを得まい...
永井荷風 「日和下駄」
...一旦嬌名ヲ都門ニ馳セシムルヤ気ヲ負フテ自ラ快トナシ縦令悲運ノ境ニ沈淪スルコトアルモ自ラ慚ヂテ待合ノ女中牛肉屋ノ姐サントナリ俗客ノ纏頭ニ依ツテ活ヲ窃ムガ如キモノハ殆一人モ有ルコトナカリキ...
永井荷風 「申訳」
...浮ぶ瀬もなく悪事に沈淪(ちんりん)していたのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...むしろ藤原氏中の一族が久しき沈淪から脱出して栄達したというような有様で...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...求めてその中(うち)に沈淪(ちんりん)して...
二葉亭四迷 「浮雲」
...一夫多妻はその分家の多くが最も悲惨な窮乏に沈淪するまで...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...朝暮歎きに沈淪(ちんりん)したもう...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そして其女に至つては実に言ふに忍びざる悲惨の境に沈淪したのである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...能楽師が極度の窮迫に沈淪していた時代であった...
夢野久作 「梅津只圓翁伝」
...一年足らずで淪落のふちに落ちて行つた...
横瀬夜雨 「女子文壇の人々」
...――どこまで淪落(りんらく)して行く姉であろう...
吉川英治 「剣難女難」
...彼らは内面外面のあらゆる道徳を振り捨てて人の恐れる「底」に沈淪する事を喜ぶ...
和辻哲郎 「転向」
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