...その謂うことの淡泊なる...
泉鏡花 「海城発電」
...實に厭味といふもの少しもなく淡泊な男である...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...淡泊な味に湯だった笹の香を嗅(か)ぐ心持は何とも云えない愉快だ」「そりゃ東京者の云うことだろう...
伊藤左千夫 「浜菊」
...すべてに淡泊な黒白のハツキリした云ひたい事でもずば/\云へる人が好きです...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...「此淡泊な物を食ふ所が日本人の特色で...
高濱虚子 「俳諧師」
...金錢に淡泊な人に...
太宰治 「金錢の話」
...私たちには非常に淡泊な味のものに感ぜられる...
太宰治 「津軽」
...而もモルトケの如く政治上の功名に淡泊ならざるを甚だ惜むのみ...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...食卓には快活淡泊な顔つきをした四十かっこうの男がすわっていて...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日本という庭園的の国土に生ずる秩序なき、淡泊なる、可憐なる、疲労せる生活及び思想の、弱く果敢き凡ての詩趣を説明するものであろう...
永井荷風 「妾宅」
...あとから出た百蔵あたりが、かなり甘ったるい言葉づかいをするのに、それをあざ笑って高くとまっていたおれは、淡泊なのか、それとも意気地がないのか...
中里介山 「大菩薩峠」
...淡泊なように見えても...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...その逞しい体躯や淡泊な心を現はしてゐる相手の顔つきは...
原民喜 「壊滅の序曲」
...世の中の人事はかく簡易にして淡泊なるものにあらず...
福沢諭吉 「学問のすすめ」
...このような淡泊な沈着(グライヒミューティヒカイト)だけが...
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン Ludwig van Beethoven 片山敏彦訳 「ベートーヴェンの生涯」
...夏になると脂濃(あぶらこ)いものは不消化だから淡泊な食物に限るといって我慢して不味(まず)い物ばかり食べるような人は営養不足殊(こと)に脂肪分の不足で痩せるのです...
村井弦斎 「食道楽」
...自分のことでありながら限りない淡泊な行動をとったと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...比較的金銭に淡泊なため...
夢野久作 「暗黒公使」
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