...その又汁も淡薄であるから...
芥川龍之介 「鴉片」
...涙もさそわずに淡く消えて行った...
有島武郎 「或る女」
...これに対(たい)しては人々(ひとびと)は至(いた)って冷淡(れいたん)なもので...
アントン・チエホフ Anton Chekhov 瀬沼夏葉訳 「六号室」
...淡い月光を浴びながら...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...しかし彼はただそうだとかそうでないとかいうごく冷淡な答えをした...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...一清(しん)の名家袁随園(えんずいえん)が『詩話』巻(まきの)四に「詩ハ淡雅(たんが)ヲ貴(たっと)ブトイヘドモマタ郷野(きょうや)ノ気有ルベカラズ...
永井荷風 「小説作法」
......
中原中也 「在りし日の歌」
...同時に何らの淡泊(たんぱく)さがそこには存在していなかった...
夏目漱石 「明暗」
...何となく淡い美しさを心に描いてゐたのですが...
林芙美子 「大島行」
...朝日に逢った淡雪(あわゆき)のようにどこかへ姿を消してしまった...
久生十蘭 「キャラコさん」
...教授の冷淡なところに...
久生十蘭 「地底獣国」
...是れ高峰が情人の手術に就て勉(つと)めて冷淡を裝はふの状...
八面樓(宮崎湖処子) 「泉鏡花作『外科室』」
...耳を掩ひたく思ふ冷淡な同心があるかと思へば...
森林太郎 「高瀬舟」
...海に通ずる口が小さくなれば久しからずして淡水の湖水となつて仕舞ふと思はれます...
柳田國男 「潟に關する聯想」
...淡い日があたたかく照っておりました...
夢野久作 「卵」
...しかもその一本の悩みを抜き去るためには、それに連なる志方、神吉(かんき)、高砂、野口、淡河(おうご)、端谷(はたや)などの衛星的な小城をまず一塁一塁陥し入れてからでなければ、敵の本拠たる歯根(しこん)を揺がすことは出来ないからである...
吉川英治 「黒田如水」
...藍(あい)の淡彩が点じてあったということも聞いている...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
...しおらしく愛らしくまた淡々たる秋草の花との相違がある...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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