...彼はその冷淡さを取り繕(つくろ)ふやうに...
芥川龍之介 「トロツコ」
...些細の事にも其齒を露出(むきだし)にして淡白(きさく)らしく笑ふ...
石川啄木 「鳥影」
...一月号の『思ひ出』の作も極めて平淡な抒情(じょじょう)の内に深い味いのある歌であったが...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...人形芝居の元祖である淡路浄瑠璃(じょうるり)を見物する...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...淡蒼(うすあお)く晴れ渡った寒空には...
近松秋江 「うつり香」
...何かしらこの淡泊の中にしっかりした「しめくくり」が欲しいような気がする...
寺田寅彦 「二科会その他」
...空色(くうしよく)淡(あは)くして碧(みどり)霞(かす)み...
徳冨蘆花 「花月の夜」
...三言冷淡に尋ねたばかりだった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...淡水中学が建っている...
豊島与志雄 「台湾の姿態」
...何やら淡い色があった...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...「お前そんな冷淡な挨拶を一口したぎりで済むものと...
夏目漱石 「行人」
...わざと冷淡そうに短く手を振ったそのそぶりに含まれていた...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...淡窓ばかりでない...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...息子に対して冷淡だ! などと彼を煽てるやうに云つたり...
牧野信一 「鏡地獄」
...淡白な黒絵もある...
牧野信一 「籔のほとり」
...花は枝上に満ちて競発し淡紅色を呈して極めて優美である...
牧野富太郎 「植物記」
...冷淡な様子をして坐(すわ)っている...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...遠い山は雲母(きらら)より淡(あわ)かった...
吉川英治 「宮本武蔵」
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