...彼は母の乳を知らぬことに爾来(じらい)一層冷淡になった...
芥川龍之介 「大導寺信輔の半生」
...淡雪(あわゆき)の消える様に果敢(はか)なくなってしまった...
江戸川乱歩 「恐怖王」
...ある日また諸君は、諸君があれほど愛してほめていた、あのすばしこい歩きぶり、あの淡白な処作、あの嬉しそうな話しぶりの、ある可愛いい若い娘の話を聞くであろう...
ピョートル・アレクセーヴィチ・クロポトキン Pyotr Alkseevich Kropotkin 大杉栄訳 「青年に訴う」
...無為恬淡を旨とし...
高木敏雄 「比較神話学」
...一様に淡い水色を配しました...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...嘗て讀んだ大町桂月氏の何やらの紀行文に『濃碧の海淡黄の空』とあつた句を思出す...
土井八枝 「隨筆 藪柑子」
...彼の厚顔な作品にたいして軽侮的な冷淡さを示していた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...星にかかった雲のような趣のある起き出たばかりの淡装で立っていた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...互に相手を淡い氣もちでなつかしみあふが...
堀辰雄 「姨捨記」
...わたくしが冷淡で薄情だと非難しました...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...その屋根を重ねた所が淡白であって...
三上義夫 「芸術と数学及び科学」
...晩年には「白湯(さゆ)」か「水」のやうに淡々とした存在になつてしまつたのかと思ふ...
三宅周太郎 「中村梅玉論」
...其処(そこ)へ野菜を入れて味をつけてちょこちょこと実を投げ込んで客へ出すからその淡(うす)いこと塩湯同様です...
村井弦斎 「食道楽」
...喪服の鈍(にび)色ではあるが濃淡の重なりの艶(えん)な源氏の姿が雪の光(あかり)でよく見えるのを...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...複雑な光の濃淡を与えるのであろう...
柳田国男 「雪国の春」
...淡い星影の下に舟底は仰向いてしまい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...やはり山家集あたりの淡々としたところがよいの」などといって...
吉川英治 「宮本武蔵」
...淡い光の中で、やっと捜し当てみると、それは、小さい崖くずれで、自然に草叢(くさむら)が潰されて出来たような、ざらざらとした小径で、その周囲には腰から胸辺りにまで来る、名も知らぬ雑草が生いしげり、黒い潮風に、ざわざわと囁(ささや)き鳴っていた...
蘭郁二郎 「鱗粉」
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