...冷淡なる自然の前に...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...サンフランシスコの領事が在留日本人の企業に対して全然冷淡で盲目であるという事...
有島武郎 「或る女」
...恬淡(てんたん)...
泉鏡花 「婦系図」
...その淡然たる声調の上に何処ともなく...
伊藤左千夫 「歌の潤い」
...各町村の被害民は当局から案外な冷淡と不誠実をもって報いられた...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...其角は此時和泉の淡(あは)の輪(わ)といふ所にありしが...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...軽い淡白な気もちを持っている小鳥のような女が...
田中貢太郎 「蟇の血」
...あとに残されるものは淡くはかない夏の宵闇(よいやみ)である...
寺田寅彦 「備忘録」
...秋の淡日(うすび)が差して来た...
徳田秋声 「足迹」
...曖昧な微笑と冷淡な言葉とで...
豊島与志雄 「自由人」
...淡い混濁したものがあった...
豊島与志雄 「生あらば」
...行く春の庭を圧倒してゐる心持を須磨から見た淡路島の感じで表現したすばらしい出来の歌である...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...母親やその他の親類の者たちが冷淡であったということ――彼らがその死体をあの香水売子の死体だと信じていたと仮定するとどうもこの冷淡は矛盾しているということ――についての『レトワール紙』の主張は...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「マリー・ロジェエの怪事件」
...胡麻和(あ)えという所も南京豆和えという風(ふう)にしますが南京豆の方が胡桃よりも淡泊で或る場合には胡麻よりもよほど美味(おい)しゅうございます...
村井弦斎 「食道楽」
...例もないように冷淡なあなたの恨めしかったことも私は忘れられない...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...次々に濃くした鈍(にび)の幾枚かをお重ねになった下には黄味を含んだ淡(うす)色の単衣(ひとえ)をお着になって...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...そして今まで冷淡なネルリの目は輝いた...
室生犀星 「愛の詩集」
...」あまり淡淡としすぎたほどの落ちつきで真紀子は久慈を見上げて訊ねた...
横光利一 「旅愁」
便利!手書き漢字入力検索