...言葉には二の句がつげないほどの冷淡さと強さとを示してやった...
有島武郎 「或る女」
...其人の上衣は淡碧(うすみどり)にして銀絲の縫ひあり...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...淡島(あわしま)さま前なる小池は...
石井研堂 「東京市騒擾中の釣」
...近つ淡海の國の造が祖なり...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...七日ノ晩ニ僕ハスデニ木村ニ対シ淡イ嫉妬(淡クモナカッタカモ知レナイ)ヲ感ジツツアッタノニ...
谷崎潤一郎 「鍵」
...――)誓約書現住所 兵庫県西宮市香櫨園××弁護士法学士 柿内孝太郎妻柿内園子明治卅七年五月八日生現住所 大阪市東区淡路町五丁目××番地会社員 綿貫長三郎次男綿貫栄次郎明治卅四年十月廿一日生右柿内園子ト綿貫栄次郎トハソノ各々ガ徳光光子ニ対シテ有スル緊密ナル利害関係ヲ考慮シ昭和某年七月十八日以降左ノ条件ノ下ニ骨肉ト変リナキ兄弟ノ交リヲ諦(てい)スベキコトヲ誓約シタリ一...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...いかに冷淡無情を商売の信条と心得ている廓者(くるわもの)でも...
近松秋江 「霜凍る宵」
...」照子も淡雪の方へ眼をやって答えをした...
豊島与志雄 「道標」
...淡い跡が殘つて居るやうでもあります...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...将校は旅行者のさきほどの冷淡さにはほとんど気づかなかったのだが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...何となく冷淡(つめた)い...
二葉亭四迷 「浮雲」
...妻の口先は冷淡、痛烈、明快、予想外だった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「鉄面皮」
...……トシの思惑は恬淡で決して私などに関心を持つてゐる筈もないのだが...
牧野信一 「二日間のこと」
...道家のごときは虚無恬淡を説いて一見仏教の根本思想と等しいようであるが...
三木清 「親鸞」
...むしろ淡青に澄んだ水面が...
吉江喬松 「山岳美觀」
...小石川水道端の秋田淡路守どののお長屋に住み...
吉川英治 「大岡越前」
...思いもかけぬ複雑な濃淡が現われてくるであろう...
和辻哲郎 「古寺巡礼」
...十年間の苦しい努力は冷淡な取扱いを以て報いられた...
和辻哲郎 「鎖国」
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