...飄亭両君は従軍したその頃の東京は淋(さび)しかった...
高浜虚子 「子規居士と余」
...ひどく淋(さび)しくなってしまった...
太宰治 「正義と微笑」
...窓から眺めてでもいたのでしょうか?「どうして貴方はそんなにお淋しそうにしていらっしゃいますの?」とロゼリイスが静かに側へ近付いてきました...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...お嬢さんが淋しがっておりますから...
田中貢太郎 「馬の顔」
...とても淋(さび)しい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今の私の淋しさや心細さに一点の同情も寄せて下さらないほど...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...妙に佗しい頼り無い淋しさを...
豊島与志雄 「秋の気魄」
...淋(さび)しい街道を通つてゐますと...
豊島与志雄 「エミリアンの旅」
...へんに淋しい――それは夜更けのせいばかりでもなく...
豊島与志雄 「守宮」
...今は亡い人たちの至芸など思ひ浮べて一種侘しい懐旧の情にひたりながら半日を淋しく楽しんで過すのである...
中勘助 「能の見はじめ」
...その目的に適するために灰色の制服の一様な単調な淋しいものとなってしまっているのと同様である...
中井正一 「美学入門」
...母なしに汝が淋しゑ...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...私は自分の淋しい影を見ていると...
林芙美子 「新版 放浪記」
...その淋しい間(あいだ)にも家風は至極(しごく)正しい...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...淋しいから遊びに來ましたなんてね...
正宗白鳥 「孫だち」
...母の肌を恋うような血しおの淋しさだ...
吉川英治 「親鸞」
...お米は少し当てが外(はず)れた淋しさで...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...淋しい暗夜(やみよ)を独り行く時は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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