...益(ますます)涼しさを加へて行つた...
芥川龍之介 「老いたる素戔嗚尊」
...彼れは目を細めてその涼しさになぶられてゐた...
有島武郎 「潮霧」
...軽い涼しさがさわやかに流れておるという点を出したいと思ったものですが...
上村松園 「虹と感興」
...青葉かげお地蔵さまと待つてゐる蟻の行列をかぞへたりして待つ身は暑いバスのほこりの風にふかれて昼顔の花・炎天下の兵隊としてまつすぐな舗道行軍の兵隊さんでちよつとさかなつり・釣りあげられて涼しくひかる・水底の太陽から釣りあげるひかり・ゆふなぎおちついてまた釣れた八月十九日晴、朝晩の涼しさよ、夜は冷える...
種田山頭火 「其中日記」
...十日あまり思ひがけない涼しさがつゞいたので...
田畑修一郎 「医師高間房一氏」
...すぐに草鞋(わらじ)のまま足を浸したら涼しさが身にしみた...
寺田寅彦 「花物語」
...涼しさは瞬間の感覚である...
寺田寅彦 「涼味数題」
...窮屈な羈絆(きはん)の暑さのない所には自由の涼しさもあるはずはない...
寺田寅彦 「涼味数題」
...すると忽(たちま)ち河岸(かし)の方から颯(さっ)とばかり真正面(まとも)に吹きつけて来る川風の涼しさ...
永井荷風 「散柳窓夕栄」
...私はふと寺田先生の涼しさの説を思い出した...
中谷宇吉郎 「清々しさの研究の話」
...自分はこの三階の宵(よい)の間(ま)に虫の音らしい涼しさを聴(き)いた例(ためし)はあるが...
夏目漱石 「行人」
...代助は暗(くら)さと涼しさのうちに始めて蘇生(よみがへ)つた...
夏目漱石 「それから」
...中を通つたら涼しさうに思へる深い森林をよそ目に見ながら...
野上豐一郎 「湖水めぐり」
...得も云へぬ爽々しい陶酔を購ふてゐるかのやうな涼しさに打たれる事があつた...
牧野信一 「小川の流れ」
...涼しさやとか夕涼みとかいふやうな句を賛する...
正岡子規 「病牀六尺」
...山風の涼しさはどこへ往つたでせう...
クスミン Mikhail Alekseevich Kuzmin 森林太郎訳 「フロルスと賊と」
...現実にどういう点をさすのかね」肥っている大助は風の涼しさにも拘らず...
山本周五郎 「新潮記」
...このとおり無人の涼しさだ」「いや...
吉川英治 「私本太平記」
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