...静かに涼しさを守つてゐる...
芥川龍之介 「好色」
...ネルの單衣に涼しさうな生絹(きぎぬ)の兵子帶...
石川啄木 「鳥影」
...涼しさや帆に船頭の散らし髪...
江見水蔭 「悪因縁の怨」
...日盛りでもどこか磯風の通う涼しさがありましたが...
鷹野つぎ 「虫干し」
...むしろ涼しさに属する光景なのでありますが...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...木造町のコモヒのやうな涼しさが無い...
太宰治 「津軽」
...日中の暑さ、朝晩の涼しさ...
種田山頭火 「其中日記」
...あれは正当なる涼しさとは少しちがう...
寺田寅彦 「さまよえるユダヤ人の手記より」
...あの時の背中の感覚にはやはり「涼しさ」とどこか似通ったある物がある...
寺田寅彦 「さまよえるユダヤ人の手記より」
...そのまへの蓮瓶にはすぎた夕だちの涼しさを玉にしてる幾枚の葉とほの白くつぼんだ花がみえる...
中勘助 「銀の匙」
...夜の涼しさに銀座の賑(にぎわ)いが復活する時分...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...なかなか夜風の涼しさが肌に心地よいくらいで...
中里介山 「大菩薩峠」
...風が快い涼しさを運んで来る...
中島敦 「光と風と夢」
...そしてその涼しさの中に...
中谷宇吉郎 「桂浜」
...馬鹿な涼しさだ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...素顔に笠着(き)たる姿など話に聞くもゆかしく涼しさの皆いでたちや袴能総選挙も間際になりて日ごとの新聞の記事さへ物騒がしく覚ゆるに鹿を逐(お)ふ夏野の夢路草茂る(七月十九日)六十九○病気の介抱に精神的と形式的との二様がある...
正岡子規 「病牀六尺」
...明日から又梅雨の涼しさになる由...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...(何という涼しさでしょう)しみじみと...
吉川英治 「親鸞」
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