...それから表は涼しさうなメレンスの柄のいゝのをでもさがして来れば何かある...
鈴木三重吉 「桑の実」
...その天幕の下を涼しさうな顔をして歩いたらう...
太宰治 「津軽」
...朝夕の涼しさ、そして日中の暑さ...
種田山頭火 「行乞記」
...朝の涼しさ、何となく秋を感じた、“土用なかばに秋の風”である...
種田山頭火 「松山日記」
...暑さと涼しさとは互いに排他的(エキスクルーシヴ)な感覚ではなくて共存的な感覚であることに始めて気が付いたのである...
寺田寅彦 「さまよえるユダヤ人の手記より」
...その豆腐が実に涼しさのかたまりのように思われた...
寺田寅彦 「涼味数題」
...私はふと寺田先生の涼しさの説を思い出した...
中谷宇吉郎 「清々しさの研究の話」
...ふと涼しさという感じは冷たさとか寒さとかいう感覚とは別のもので...
中谷宇吉郎 「清々しさの研究の話」
...たった十八、色の浅黒さも、眼の涼しさも、野の花を剪(き)って来たような純な少女ですが、父親の無残な死骸を見ると、一も二もなく、砧右之助を敵(かたき)と思い込んだのでしょう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...冷房きゝすぎる涼しさ...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...忘れる「暑さ、涼しさの話...
牧野信一 「小田原の夏」
...いま彼は不思議な好い気持の涼しさと安息とを味った...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「精」
...夏着に涼しさを添える織物であります...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...汗は元来乾いて涼しさを与えるために...
柳田国男 「木綿以前の事」
...」云いたいことのおしむらがって来る庭前の涼しさだったのに...
横光利一 「旅愁」
...それぞれの客に何か物を想わせる涼しさを誘った...
横光利一 「旅愁」
...「涼しさに居眠ったか」信長も苦笑する...
吉川英治 「新書太閤記」
...もう晩(おそ)かったが、玄渓の家を出ると、涼しさに、夏の月夜を足はそぞろになって、微酔(びすい)を蚊帳につつむのが惜(おし)まれた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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