...眼の涼しい美津の顔をありあり思い浮べた...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...すぐ手当をしてもらいなさい」娘は涼しい大きな瞳をあげて...
「草藪」
...涼しい風が吹きこんでくるが...
高見順 「いやな感じ」
...彼は夕暮の涼しい風に酒にほてった頬を吹かれて家いえの簷の下を歩いていた...
田中貢太郎 「雷峯塔物語」
...近いうちに涼しい処(ところ)へ連れて行こうか...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...涼しい顔で彼に背を向け...
R.W. チェンバース R.W. Chambers The Creative CAT 訳 「四風の街」
...夏の暑い盛りに天気のいい日だと夕方涼しい南がかった風が吹くので...
寺田寅彦 「海陸風と夕なぎ」
...そうした金牌をせしめておきながら涼しい顔をしている」と言って憤慨するのと似たことが実際にしばしば起こるのである...
寺田寅彦 「空想日録」
...宅(うち)では何も知らぬ母がいろいろ涼しいごちそうをこしらえて待っていて...
寺田寅彦 「花物語」
...その声が妙に涼しいようでもあり...
寺田寅彦 「物売りの声」
...涼しい風にゆらぐ寒竹や萩(はぎ)のなかに沈んでいた...
徳田秋声 「仮装人物」
...寂(さび)しい涼しい初秋の夜...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...宮様は涼しい汽車で本を読んでいる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...涼しいので嬉しがりつゝねる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...涼しい風がスースーと吹きはじめまして...
夢野久作 「死後の恋」
...海から吹く風の涼しいのが嬉(うれ)しい...
與謝野寛、與謝野晶子 「巴里より」
...風は涼しいが藪が繁っているので熱苦(あつくる)しい...
吉江喬松 「木曾御嶽の両面」
...伝吉は涼しい顔で...
吉川英治 「剣難女難」
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