...けれどもそれが力強く根深く侯爵の心魂を涵して居た...
會津八一 「音樂に就いて」
...八 軽の水を払う者涵澹然たり――軽払レ水者涵澹然...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...この国には水のほかに何か飲料が出るかね? 自分は水にドクニンジンの葉を涵(ひた)して飲んだことがあるが...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...そういう精神が涵養(かんよう)されなかったために未だに日本新文学が傑作を生んでいない...
太宰治 「虚構の春」
...経済の建直しにより財源を涵養し...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...師範大学では「特に教育者たるの人格の養成及び観念の涵養に力むること」になるそうである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...国家の存立発展のために必要なる国費の財源の「涵養」(?)のための夫では結城財政の方に賛成する...
戸坂潤 「社会時評」
...山縣公爵の涵養したる勢力の鞏固にして...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...豊富な空想力を涵養しなくてはならぬ...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...現像液の中に自分もなかば涵(ひた)っているといってもよい...
中井正一 「物理的集団的性格」
...科学精神の涵養(かんよう)に立派な普及書を出しておられる先生方に...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...また美術の趣味を涵養(かんよう)することもなく...
新渡戸稲造 「自警録」
...独(ひと)り教育のみならず実業においても涵養(かんよう)すべきものであると思う...
新渡戸稲造 「自警録」
...会員意識の涵養に全力を集中するにいたった所以(ゆえん)である...
野呂栄太郎 「三田社会科学研究会」
...涵虚混太清、と書いてある不気味な文字の額だつた...
牧野信一 「公園へ行く道」
...こうしたことも結局郷土人に科学の知識を涵養(かんよう)しようとする私の努力だったのです...
牧野富太郎 「牧野富太郎自叙伝」
...右手にアルコールを涵(ひた)した脱脂綿と...
夢野久作 「笑う唖女」
...井の中の蛙が誰も知らないうちに涵養(かんよう)していた力の深さや偉大さを少しも考えてみない...
吉川英治 「宮本武蔵」
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