...ひっそりと月光に涵(ひた)されている...
芥川龍之介 「長江游記」
...車輪を洗ふ許りに涵々(ひたひた)と波の寄せてゐる神威古潭(かむゐこたん)の海岸を過ぎると...
石川啄木 「札幌」
...いっそうこれを涵養(かんよう)したいものである...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...小石川後楽園涵徳亭(かんとくてい)...
高浜虚子 「六百句」
...そういう精神が涵養(かんよう)されなかったために未だに日本新文学が傑作を生んでいない...
太宰治 「虚構の春」
...清水に涵(ひた)した梨の味にも秋はもう深かつた...
近松秋江 「箱根の山々」
...国民思想涵養(かんよう)の一端というのであろうか...
寺田寅彦 「沓掛より」
...心は寂しいあるものに涵(ひた)されていた...
徳田秋声 「爛」
...邵晉涵は、史記についてもその由來を書いたが、紀は全然之を採用せず、本文には批評を加へずに、その注に解題を加へた...
内藤湖南 「支那目録學」
...この史的知識の涵養(かんよう)ということは...
直木三十五 「大衆文芸作法」
...レンズとフィルムと現像液ならびにそれを涵す光...
中井正一 「物理的集団的性格」
...人は直ちに理智の涵養に取掛かればよいのだし...
中原中也 「感情喪失時代」
...科学精神を涵養したり...
中谷宇吉郎 「簪を挿した蛇」
...会員意識の涵養に全力を集中するにいたった所以(ゆえん)である...
野呂栄太郎 「三田社会科学研究会」
...越海濤涵鵬翼天...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...右手にアルコールを涵(ひた)した脱脂綿と...
夢野久作 「笑う唖女」
...黄仲涵(こうちゅうかん)にしましても...
横光利一 「上海」
...怠らない讀書と良識の涵養とか...
吉川英治 「折々の記」
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