...たとえば大新聞がいっせいにある涜職事件(とくしょくじけん)を書き立てると全国の新聞がこれに呼応してたちまちにして日本全国がその涜職事件でいっぱいになったような感じをいだかせる...
寺田寅彦 「ジャーナリズム雑感」
...もし之が間違いならば新聞などというものは許すべからざる文化の冒涜となるだろう...
戸坂潤 「思想としての文学」
...彼は神聖な集会の場所で必要もないのに神聖を冒涜するような言動を自発的にやってのける...
戸坂潤 「思想としての文学」
...ほとんど涜神罪(とくしんざい)と言って過言でないなどと...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...一種の恥ずべき自涜(じとく)行為のうちに消費されていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...又神を涜(けが)すことゝ思つたゞらう...
レオ・トルストイ Lev Nikolaevich Tolstoi 森林太郎訳 「パアテル・セルギウス」
...画を冒涜(ぼうとく)せんがために...
中里介山 「大菩薩峠」
...それ以上の悪質の冒涜はトルコ人によって行われた...
野上豊一郎 「パルテノン」
...冒涜(ばうとく)的な言動...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...狂信者が偶像冒涜者(ばうとくしや)を呪ふやうな...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...妾(わたし)たちの愛を冒涜(ぼうとく)するようにさえ感じられたのです...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...涜(けが)した罰でその髪を蛇にされたと...
南方熊楠 「十二支考」
...進んで奈何(いか)に興行したかと云う側から汚涜を見出した人があるらしい...
森鴎外 「訳本ファウストについて」
...実用性が美しさを涜(けが)すどころか...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...当時は「雑器」に美があるなどという事は気違い沙汰にも思われたし「実用」と美とを関連させる事さえ美への冒涜(ぼうとく)だと思われた時期であった...
柳宗悦 「四十年の回想」
...怪しからん……罪も報いもない死人の遺志を冒涜(ぼうとく)するものです」「呼んでもいいですね」「……是非……すぐに願います」私は卓上電話器を取り上げて神奈川県庁を呼出し...
夢野久作 「少女地獄」
...これに反して探偵小説の使命は三稜鏡で旧式芸術で焦点作られた太陽の白光を冒涜し...
夢野久作 「探偵小説の真使命」
...その夜、陣所陣所にたくさんな篝(かがり)を焚かせ、おびただしい旗を立てつらね、さも今にも会稽城へ攻めかかりそうな擬兵(ぎへい)の計をしておいて、その実、査涜へ向って、疾風の如く兵を転じていた...
吉川英治 「三国志」
便利!手書き漢字入力検索