...涙もろい外に取柄のない女だ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...きわめて涙もろい弱い気持ちがぴったり寄り添って拡がった...
相馬泰三 「田舎医師の子」
...おのれの涙もろいことに自負を持つ...
太宰治 「道化の華」
...一方にはきわめて消極的な涙もろい意気地(いくじ)ない絶望が漲るとともに...
田山花袋 「一兵卒」
...就中継母は涙もろい方であったから...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...なまじい意地があるとか、涙もろいとか、なんとかいうことで、抜けられず、深みにはまって行って、自暴(やけ)が自暴を産み、いよいよ抜きさしのならぬところへ進んで行くのではないか...
中里介山 「大菩薩峠」
...涙もろいこと――それが僞(つく)りものでないだけに缺點だともいへる...
長谷川時雨 「下町娘」
...僕も涙もろいですから」「そうでしたね...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...涙もろいところがある...
三木清 「西田先生のことども」
...涙もろい同心が宰領してゆくことになると...
森鴎外 「高瀬舟」
...涙もろい人情のみがこの世に平和を齎らすのである...
柳宗悦 「朝鮮の友に贈る書」
...ナア」涙もろい二人は喜んで証書に印判を捺(お)したものであった...
夢野久作 「近世快人伝」
...日本人の涙もろい...
吉川英治 「折々の記」
...むウ……」涙もろい藤吉郎は...
吉川英治 「新書太閤記」
...涙もろい藤吉郎は...
吉川英治 「新書太閤記」
...情けないお姿になられたなあ」花和尚は涙もろい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...涙もろい質(たち)だから...
吉川英治 「親鸞」
...沢庵さんに縛られたあの時の様子や先刻(さっき)からの言葉を聞けば、この人は、涙もろい、気のよわい、情けの半面すら持っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
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