...一方にはきわめて消極的な涙もろい意気地(いくじ)ない絶望が漲るとともに...
田山花袋 「一兵卒」
...涙もろい人に変った...
新渡戸稲造 「自警録」
...この涙もろい男は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...飢ゑと一緒に存在する涙もろいものは...
原民喜 「飢ゑ」
...涙もろい奴だと笑われるぜ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...「涙もろいって笑わないでね...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...十五六から二十近くまでの娘の心と云うものはまるで張りきった絃の様にささやかな物にふれられてもすぐ響き、微風にさえ空鳴りがするほどで、涙もろい、思いやりの深い心を持って居るんです...
宮本百合子 「現今の少女小説について」
...そうして少女小説によって頭の大部分は育てられた娘達は涙もろいしとやかな内気な人にはなれましょう...
宮本百合子 「現今の少女小説について」
...涙もろい人情のみがこの世に平和を齎らすのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...涙もろい火星の女が...
夢野久作 「少女地獄」
...私は涙もろい気の弱い女の癖に...
夢野久作 「少女地獄」
...ホントは実に涙もろい...
夢野久作 「二重心臓」
...涙もろい人間と思うが...
夢野久作 「二重心臓」
...涙もろい藤吉郎は...
吉川英治 「新書太閤記」
...情けないお姿になられたなあ」花和尚は涙もろい...
吉川英治 「新・水滸伝」
...あんな、涙もろい、鈍愚な、しかも事に当っては、うろたえたりする彼が、どうして、あんなに強いのか...
吉川英治 「平の将門」
...沢庵さんに縛られたあの時の様子や先刻(さっき)からの言葉を聞けば、この人は、涙もろい、気のよわい、情けの半面すら持っている...
吉川英治 「宮本武蔵」
...浮気ものにインターナショナルの戦勝盃を与えて、お前涙もろい女、近代主義の楽天家、お前が私を愛する心、俺のためには死をも辞せない...
吉行エイスケ 「恋の一杯売」
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