...淋しい涕(なみだ)をながして泣いていた...
モオパッサン 秋田滋訳 「寡婦」
...(涕泣(ていきふ)しつつ)はい...
芥川龍之介 「長崎小品」
...こんな安価な殉情的な事柄に涕(なみだ)を流したのが少し恥かしかったのだ...
太宰治 「葉」
...故ニ斧鉞ノ誅ヲ冒シテ以テ聞ス情切ニ事急ニシテ涕泣言フ所ヲ知ラズ...
田中正造 「直訴状」
...体がぐたりとして水涕(みづつぱな)を出したまゝ...
田山花袋 「重右衛門の最後」
...こういうふうに考えてくると流涕(りゅうてい)して泣くという動作には常に最も不快不安な緊張の絶頂からの解放という...
寺田寅彦 「自由画稿」
...ヘレネーの逃亡並びに涕涙の怨報へん情願は衆に優りて激しかり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...涕にくるる汝の身囚へ引き去る其禍難...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...が金(かね)は其きり涕汁(はな)も引かけない...
徳田秋聲 「絶望」
...青涕(あおばな)の出入する鼻だの...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...うつくしい魂は涕くのであつた...
中原中也 「山羊の歌」
...物の終末!四行詩星は汝が耳の核心に薔薇色に涕((な))き...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...針の席(むしろ)にのる様にて奥さま扱かひ情なくじつと涕(なみだ)を呑込(のみこん)で...
樋口一葉 「十三夜」
...師と五百道士と涕泣して太子を送り崖頭に至れば...
南方熊楠 「十二支考」
...犬※徨涕泣(ほうこうていきゅう)走って船に還りまた草中に反(かえ)る...
南方熊楠 「十二支考」
...なほ涕涙潜然として坐ろに悲愁の情の湧き來るを禁じ得ない...
村越三千男 「大植物圖鑑」
...最早懐疑と凝視と涕涙と懐古とは赦されぬであろう...
横光利一 「黙示のページ」
...農民ハ焦土ニ泣涕流亡(キフテイルバウ)シ...
吉川英治 「平の将門」
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