...葉子には岡のような消極的な心持ちは少しもわからなかった...
有島武郎 「或る女」
...されば我が対支政策はもとより積極的なるべくして決して消極的なるを許さぬ...
大隈重信 「三たび東方の平和を論ず」
...旧友はみな清三の蒼い顔に沈んだ調子と消極的な言葉とをあやしみ見た...
田山花袋 「田舎教師」
...それだけでは歴史的の前後は決定し難いという消極的な結果になるのである...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...之を実現に齎す処の要因――その意味に於ては消極的な実現要因――は...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...弁証法はそこで消極的な意味から積極的な役割を有つものに脱化した...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...批評はいつも制作の後を追いかけて行く消極的な寄生物と見える...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...処でカントのこの云わば消極的な弁証法を積極的なものと考え直したものが...
戸坂潤 「辞典」
...消極的な観念論の単なる安定状態を示しているものに他ならぬ...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...彼の哲学組織に於て外見上消極的な否定的な役割をしか果していないが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...消極的な愛は、彼には不可能なことであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...結局は菊でも作って余生を平穏凡々に過ごそうという消極的な目的のためである...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...ご覧のように消極的な月日を送る事になったのです...
夏目漱石 「こころ」
...単に消極的な彼女をなおの事消極的に練り堅めて行った...
夏目漱石 「道草」
...消極的な人柄ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...消極的なN氏が世間へ引き出されて...
正宗白鳥 「昔の西片町の人」
...消極的な考えではあるがその方法を取ろうかと思う時もあった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...極めて消極的な態度でこの申入れを船長に取りついだだけであった...
和辻哲郎 「鎖国」
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