...われわれはなおそこに一抹(いちまつ)の憂慮を消し去るわけにはゆかないのである...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...それと性質の違った別の絵具を溶かして消し去る重宝(ちょうほう)な薬液の用意もござりまする...
海野十三 「すり替え怪画」
...一度浮んだ疑いは容易に消し去るべくもありません...
江戸川乱歩 「算盤が恋を語る話」
...仮想の境界線をことごとく消し去ることである...
丘浅次郎 「境界なき差別」
...その決意を俺の心から消し去るには...
高見順 「いやな感じ」
...幼年時代に甘やかされた悲しい夢の影をまったく消し去ることはできなかった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それは消し去ること以上で...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...六 草は隠し雨は消し去るペール・ラシェーズの墓地の...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...いかなる戦いもが消し去ることなき大いなる流れの跡をしめしているのである...
中井正一 「国立国会図書館について」
...過去に溯(さかの)ぼって当初から真直(まっすぐ)に黒い棒で誤解という名の下(もと)に消し去る事ができたかも知れない...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...しかもその不満をけっして消し去ることもできないままに...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「判決」
...そしてその徳は三島のただあれだけの行爲では彼から消し去ることの出來ないものでもあり...
横光利一 「悲しみの代價」
...敵を消し去ると、すぐまた、味方同士、味方内の仮想敵を見つけ出す...
吉川英治 「私本太平記」
...消し去ることができなかった...
吉川英治 「日本名婦伝」
...何物を以てしても我々の心理から消し去ることのできぬ恐怖...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...十分消し去ることができない...
和辻哲郎 「生きること作ること」
...消し去るわけには行かないのである...
和辻哲郎 「城」
...この魂の貴さを消し去る力は持たない...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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